■蔓延防止に効果なし、「同調圧力」に屈せぬ 奈良県知事・荒井正吾氏
産経新聞 2022/1/27
https://www.sankei.com/article/20220127-47XUCMEF3JPHFGUXT4B2LH2O7U/
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《新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」による感染急拡大が続く中、蔓延(まんえん)防止等重点措置は「効果がない」と主張し、適用要請はしない考えだ》
感染「第4波」「第5波」の検証から、飲食店の営業時間短縮と酒類の販売停止が感染者数の減少につながっていないと判断した。
医療が逼迫(ひっぱく)するから飲食店を時短するというロジック(論理)が分からない。
奈良県は大阪府の10分の1の感染規模だが、これまで飲食店に時短要請をしなくても感染は収束した。
専門家は重点措置や緊急事態宣言で感染者数を抑え込んだと主張するかもしれないが、(ウイルスを)抑え込んだのではなく、(感染者数が自然に)下がってしまったという方が正確だ。
どうして感染者数が増えるのか、減るのか。
国は検証せず、根拠を出さない。
重点措置は効果がない割に経済への打撃が大きいと考える。
敵のいないところに弾を撃つようなものだ。
《全国では重点措置の適用が広がっている》
同じ戦い方をしろよ、という「同調圧力」の空気がある。
同調すべきという日本の空気全体については冷静に判断しないといけない。
奈良は追随しない。
第5波のときは、奈良にも緊急事態宣言発令を要請しろといわれたが、効果がないのに経済への打撃が大きいことはしたくなかったので要請しなかった。
「(要請を)出せ」という圧力を受けるのは政治家としては大変だが、緊急事態宣言の連発より、医療体制の拡充が大事だ。
(飲食店の)時短が病床数に関係するとは思えない。
日常生活との両立を図る中で効果が少ないものは採用しない。
その際に求められるのが、複数の作戦の中で何が効率がいいのか、どれが効果があるのかを検証する「オペレーションズ・リサーチ」の発想だ。
これまでの感染対策で、やった場合とやらなかった場合を比較して評価する。
薬の効果を確かめる実験でもそう。
この観点でいうと、奈良は緊急事態宣言の発令や重点措置を適用しなくても感染が収束した。
これが最大のエビデンスだ。
国はエビデンスの材料になる数字を一番持っている。
これをすると感染リスクが何%増える、これをすると何%減るということを検証してほしい。
新型コロナとの戦いに勝つにはなにより情報分析。
現場として納得して対策に取り組めるよう説得力のあるエビデンスやロジックを国が中心となって示すべきだ。
≪奈良県では今後も重点措置などに頼らず、地道に感染対策を続ける≫
日本人は自然災害には誇らしいほど冷静だが、感染症にはパニックになる傾向がある。
今は感染予防の4原則、マスク着用▽距離をとる▽換気▽消毒―を徹底することが大切で、辛抱強く、用心して暮らしてほしい。感染の波は高くなったり低くなったりする。
行政としては重症者と死亡者を出さないことに最大の力を入れ、医療体制を維持していく。
(聞き手 田中一毅)
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蔓延防止に効果なし、「同調圧力」に屈せぬ 奈良県知事・荒井正吾氏
産経新聞 2022/1/27
https://www.sankei.com/article/20220127-47XUCMEF3JPHFGUXT4B2LH2O7U/