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日銀金融緩和で刷られた円の行き先が日本企業でも日本国民でもないカラクリ(Dr.苫米地 2016年9月15日TOKYO MXバラいろダンディ) https://www.youtube.com/watch?v=tvzNqO6qsGI

■「電力余り」をひた隠す、マスコミ、関電のウソを暴く! ビジネスジャーナル (Business Journal) 2012.05.18

 

 

■「電力余り」をひた隠す、マスコミ、関電のウソを暴く!

ビジネスジャーナル (Business Journal) 2012.05.18

https://biz-journal.jp/2012/05/post_149.html


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昨年に続き、政府、電力業界、マスコミ合同の「電力不足キャンペーン」(以下、キャンペーン)騒ぎが起こっている。


まずはキャンペーン展開の流れをおさらいしておこう。
 

口火を切ったのは、電力10社が資金を出し合い、政界や官公庁へのロビー活動などを行う電気事業連合会


3月16日、八木誠・同会会長は会見で「原発を再稼働しなければ今夏の電力供給は非常に厳しい。国民生活や産業に多大な影響を与える」と警告した。

 

続いて4月9日、経産省は「原発を再稼働しない場合の関西電力管内の今夏の電力需給見通し」を発表、八木会長の警告を公的に裏付ける試算を示した。


それによると、原発稼働ゼロなら平年並みの暑さで7.6%、猛暑の場合は19.6%の電力不足となるとしている。

加えて、原子力発電の代替燃料輸入により、関西電力の燃料費は年間7000~8000億円増、(原発保有していない沖縄電力を除く)大手9電力会社合計では年間3.1~3.8兆円増としている。

 


枝野幸男経産相も、「原発を再稼働しなければ今年の夏は電力不足になり、(燃料費増加が電力会社の経営を圧迫するので)電気料金値上げをお願いしなければならない」と強調した。

さらに4月16日、関西経済連合会・沖原隆宗副会長が定例会見で「原発の早期再稼働が必要」と訴え、角和夫副会長も「(電力不足は)さらなる産業の空洞化を招く」と訴えた。


 


翌17日、「フジサンケイビジネスアイ」(日本工業新聞社)はこの会見を報じる中で、「武田薬品工業が5月のGWの連休を返上して生産を決定、サマータイム導入を決める企業が相次いでいる」と触れ、早くも関西は混乱に陥っているかのような報道を行った。

 


しかし、電力は本当に足りないのだろうか? 

マスコミが電力業界や経産省の協賛報道をすればするほど、国民の素朴な疑問が湧き上がり、それに応えるような報道も次々と発信されている。

 


原発ゼロでも、夏季の電力不足はわずか58時間 – 共同通信(4月21日)

 関西電力は今夏の需給見通しで「原発ゼロで関西電力が供給できる最大電力量は2574万kW/時。

昨夏の最大使用量は2784万W/時。したがって今夏は210万kW/時の電力不足が発生する」と主張している。

 


しかし、共同通信関西電力の公表資料から、昨夏の1時間ごとの電力使用量を調査したところ、2574万kW/時を超えたのは12日間で合計58時間。夏季85日・2040時間のうち2.8%に過ぎなかった。

しかも、連続超過時間は最長で10時間、次が8時間、それ以外は1日3~5時間だった。


キャンペーンを鵜呑みにすると、電力不足が毎日続き、夏季中ずっと停電対策が必要と錯覚してしまう。

マスコミに踊らされている関西の企業は、過剰な心配と苦労を強いられているといえそうだ。

 


原発再稼働なくても「埋蔵電力」活用で乗り切れる – 週刊ポスト小学館/4月27日号)

 資源エネルギー庁の資料分析から、利用されずに眠っている「埋蔵電力」を発見し、「原発ゼロでも夏を乗り切れる」との報道。

これによると、企業などの自家発電全国総量が5373万kW/時分ある。


これは東京電力1社分の供給量に匹敵する。

このほか、電力会社が大口消費者と契約している「需給調整契約」(電力不足時にピークカットする代わりに、平常時の電気料金を大幅割引する契約)の総電力量が、原発5基分(505万kW/時)に上る。契約通りピークカットをするだけで電力不足は起きない。


しかも大口契約者の大半は自家発電設備を持っているので、大きな混乱が起きる恐れも少ない。

 

さらに企業の非常用電源も2300万kW/時分眠っている。


これらの埋蔵電力を活用すれば、原発に頼らなくも今年の夏は電力不足にならないと報じている。

 

原発停止でも供給に余力 – 週刊ダイヤモンドダイヤモンド社/2011年7月19日号)

 昨年8月1カ月間で、西日本の大手電力6社の合計供給量が、ピーク時より約1500万kW/時も余力を持っている事実を明らかにしている。

 


原発ゼロの場合、6社合計の供給量は1万114万kW/時。

一方、需要量が9767万kW/時。この需要量に、安定供給の目安となる各社の「供給予備率」を掛けると、合計で275万kW/時の不足。これが電力業界の言い分だ。

 


しかし、各社の資料から認可最大出力量と供給可能量の合計差をはじき出してみると、生産能力的には合計1486万kW/時の供給余力を持っていることが判明したのだ。

同誌は「電力会社の言う電力不足には、数字的根拠がない」と断じている。


 


これらの調査報道を見る限り、電力不足どころか、逆に「電力余り」ではないかとも思えてくる。

 

なぜ政府と電力業界は正確な電力需給量を公表せず、不安を煽るようなキャンペーンを展開しているのだろうか? 


発電燃料である天然ガスを、いまだに米・電力相場の数倍で購入しているなど、経営努力を怠る一方で、燃料費増などで赤字転落を防ぎたい電力業界の思惑と、原発を再稼働させたい政府(経産省)の思惑が一致した世論誘導との疑いを禁じ得ない。

 

少なくとも政府と電力業界には、「電力余り」を示唆する報道について、説明責任があるのではないか?
(文=福井 晋)

 


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「電力余り」をひた隠す、マスコミ、関電のウソを暴く!
ビジネスジャーナル (Business Journal) 2012.05.18
https://biz-journal.jp/2012/05/post_149.html