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■プーチンがウクライナの原発制圧を進める「本当の狙い」 ザポリージャ原発の次に狙われるのは? ディリー新潮 2022年03月08日

 

 

 

プーチンウクライナ原発制圧を進める「本当の狙い」 ザポリージャ原発の次に狙われるのは?

ディリー新潮 2022年03月08日

https://www.dailyshincho.jp/article/2022/03081136/


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3月4日、ロシア軍はウクライナ南東部エネルゴダールにある世界で3番目、欧州最大のザポリージャ原子力発電所を戦車で砲撃、敷地脇の研修施設で火災が起きた。

ウクライナ当局は、ロシア軍がこの原発を制圧したことを発表。

IAEA国際原子力機関)によれば、火災は収まり、重要施設は無事で放射線漏れなどは起きていない。

破滅的な事態には至っていないものの、稼働中の原発を砲撃するとは、一体、プーチン大統領は何を考えているのか。(粟野仁雄/ジャーナリスト)

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ウクライナのクレバ外相は、ロシアの砲撃を受けて「もし(原子炉が)爆発すればチェルノブイリ(事故)の10倍の規模になる」とツイートした。

ウクライナ原発といえば、首都キエフ中心部から北方約100キロにあり、ソ連時代末期の1986年4月に核分裂反応の暴走で大爆発、壊滅的な事故を起こしたチェルノブイリ原発が知られている。

現在は稼働しておらず巨大な石棺で覆う廃炉作業が進むこの原発も、2月24日、ウクライナの北側で隣接するベラルーシから侵攻したロシア軍が制圧した。

 

ウクライナの電力の5分の1を賄う


京都大学原子炉実験所(現京都大学複合原子力科学研究所)の元助教今中哲二氏(71)は、チェルノブイリ原発の事故後、毎年のようにウクライナを訪れて研究を続けている。

同所の小出裕章助教らと「反原発」を掲げた「熊取6人衆」(2人は既に他界)の1人として知られ、退官後も研究員として活動する。

ザポリージャ原発について、今中氏は「あの原発には行ったことはないが、キエフを流れるドニエプル川下流にある原発で、旧ソ連が開発したVVERという加圧水型の原発です。

構造は西欧型のPWR(加圧水型原子炉)に似ており、万が一に備えて、危険な時は自動的に運転が止まるシステムなどは日本の原発などと同じはずです」と話す。

地震などの際、自動的に核燃料に制御棒が入って核分裂を止めるECCS(緊急炉心冷却システム)のことだ。

VVERは、ウクライナなどの旧ソ連各国や、東欧で多く普及している。

第一世代のVVER440(440万キロワット)は安全性などが指摘され、第三世代と言われるVVER-1000(百万キロワット)は改良され、安全性や経済性が高まったとされる。

ザポリージャ原発の第1号機は、チェルノブイリ事故の前後に稼働を開始し、現在はVVER-1000が6基稼働、総電力は600万キロワット。

ウクライナの電力の5分の1を賄う。

 

・エネルギーの「兵糧攻め」を狙うロシア


ロシア軍の砲撃について、今中氏は「原発クリミア半島に近くにあり、電源などを抑えておくための砲撃だと見ています。本当に原発を破壊したいのなら戦車などではなく、巡航ミサイルでも撃ってくるのでしょうが、それはないでしょう。あくまで原発の制圧が目的でしょうから、そんな破滅的なことをしたら意味がなくなってしまう。ただ戦車からの砲撃などは狙いが不正確で、いわゆる流れ弾のようなものが当たって大事故になる可能性もあり、それは怖い」と話す。

「流れ弾」とは、福島第一原発での「津波」と考えればいい。

福島第一原発の事故も、津波で直接原子炉が破壊されたわけではないが、電源が水没して冷却できず、炉心のメルトダウンが起き、爆発した。

ザポリージャ原発もロシア軍の砲撃によって、同じ事態になる可能性があった。

原子炉自体は頑強でも、砲撃や流れ弾の影響で電気設備や配水管が壊れて水が原子炉に届かなくなれば破局に繋がることは、11年前に誰もが知ったはずだ。

ロシアはウクライナの重要な電力供給源を制圧、都市への供給を遮断して都市機能を完全に麻痺させ、食糧のみならずエネルギー面からの「兵糧攻め」を狙っている。

ザポリージャ原発周辺では、砲撃の数日前から原発を守ろうと原発作業員らと市民が列を作ってロシア軍を阻止していたが、ロシアの戦車隊列はあざ笑うようにそれを突破した。

 

原発依存度が高いウクライナ


ウクライナ全土には15の原発があるが、ザポリージャ原発の西の方向、首都キエフから350キロ南にはウクライナ原発がある。

今中氏は「南からキエフへ向かう通り道にあたり、ロシア軍はここも狙うのではないか」と懸念する。

原発もVVER-1000を3基備える大原発だ。

ウクライナの電力源のうち、原発の割合は53%を超え、原発依存度は高い。

旧ソ連から独立した後、ソ連時代からの核兵器はロシアに返上したが、一貫して原発は稼働し続けている。

チェルノブイリ事故の惨事を経験したはずのウクライナ人の原発に対する国民感情について、今中氏は「エネルギー源として原発は不可欠と考える人も多く、原発賛成、反対はほぼ半数ずつといった印象ですね」と語る。

筆者は2013年夏、今中氏の助力で、チェルノブイリ事故の取材をした際、英語通訳のウクライナ人女性と2人でチェルノブイリ博物館を訪れた。

原発に閉じ込められたまま亡くなった職員ボデムチュークさんや、救助に向かって死亡した消防隊員らの遺影などが並ぶ、実にリアルな展示で衝撃を受けた。

行政が「負の遺産」を無かったことのようにする傾向が強い日本で、福島第一原発の事故をしっかり伝えるような博物館を作るだろうか、と考えた。


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プーチンウクライナ原発制圧を進める「本当の狙い」 ザポリージャ原発の次に狙われるのは?
ディリー新潮 2022年03月08日
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/03081136/

 

 

 

 

■なぜウクライナ原発は狙われる チェルノブイリ廃炉は  

中日新聞 2022年3月16日

https://www.chunichi.co.jp/article/435282