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岸信介がA級戦犯を逃れるため米国と交わした裏取引きが!「安倍晋三首相が愛してやまない祖父、岸信介」エキサイトニュース 2015年8月17日 https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_1400/

■【隷属状態からの脱出が日本の最重要課題だ】日本人から思考を奪う「国体の正体」とは何か 東洋経済オンライン 2018/07/26 白井聡:京都精華大学教員/國分功一郎:東京工業大学教授

 

 

■【隷属状態からの脱出が日本の最重要課題だ】日本人から思考を奪う「国体の正体」とは何か

東洋経済オンライン 2018/07/26

白井聡:京都精華大学教員/國分功一郎:東京工業大学教授

https://toyokeizai.net/articles/-/229556


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・責任を追及しない日本社会


國分:白井君が『国体論――菊と星条旗』を書いたいくつかの出発点のひとつは、なぜ安倍政権は潰れないのかという素朴な疑問だと思います。

安倍政権はひどい政策をずっと続けているのに、なぜか長きにわたって政権を維持している。

ここには合理的には説明のつかない力が働いており、私たちはそれに従わされている。

白井君はそこに「国体」という構造を見いだしているのだと思います。

この国体を代表するのは、戦前の日本では天皇です。

しかし、敗戦と占領期を経て、アメリカが国体を代表するようになる。

『国体論』ではフルモデルチェンジという言い方がされていますが、日本がアメリカに負けたことで、国体の頂点は菊から星条旗に変わったものの、人々が国体に従うという構造に変化はなかった。

そう指摘しているわけですね。

白井:そうです。「戦後の国体」となった対米従属構造を維持することで、権力を保持しているのが安倍政権に代表される日本の支配層です。

 

國分:そこで疑問として残るのは、なぜ日本はアメリカにきちんと負けられなかったのかということなんです。

僕はここがポイントだと思っているのですが、アメリカと戦争して負けたわけですから、本来ならば「いつかアメリカを倒してやるぞ」となるはずです。

ところが、日本はそうはならなかった。それどころか、マッカーサーアメリカに帰国するときには、マッカーサーとの別れを惜しむ声まで上がった。

これはやはりきちんと負けなかったために起こったことだと思うんです。

 

白井:戦後直後から今に至るまで、日本人はアメリカに負けたという事実から目をそらそうとしてきました。

8月15日を「敗戦の日」ではなく、「終戦記念日」と呼んでごまかしていることから始まって、戦後の日本は「敗戦の否認」を続け、アメリカに従属していることを直視しないでいる。

でも、そうした支配を否認する日本人の心理的な構造は、戦後に始まったものではない。

わかってしまえば、簡単なことです。

戦前の日本人には、疑うことなく「国体」に付き従うというマインドがインストールされていた。

 

白井:かつ、「国体」は、明治維新によって一瞬でできたわけではない。

誕生から崩壊までいくつかのプロセスを踏んでいる。

「戦後の国体」への従属、つまり対米従属体制も同じで、今のような自己目的化した従属がずっと続いてきたわけではない。

しかし、そもそも、敗戦の時点でも「アメリカ許すまじ」とはならなかった。

それはひとつには、アメリカに負ける前にすでに己に負けていたからだと思います。

たとえば、特に悲惨を極めた南方戦線では、弾に当たって死んだ兵士よりも、餓死やマラリアで死んだ兵士のほうが断然多かった。

これはもはや戦争と呼べるようなものではなく、飢えた兵隊が熱病に冒されながらジャングルを彷徨(ほうこう)していたと言ったほうが正確です。

だからあの戦争が終わったとき、人々の間にはとてつもない解放感が広がったわけですね。負けたことよりも、とにかくこんなばかげた状態が終わってうれしいということになった。それは要するに「国体」から解放されたということだった。

そういう意味では、アメリカに負ける前に自分たちの社会の病理のようなものに負けていたということではないでしょうか。

 

・思考を奪う「国体」という病


國分:それは別の言い方をすると、そもそも日本は戦争に勝とうとしていなかったということになりますか。

去年の夏にNHKインパール作戦の番組を放映して話題になりましたが、イギリス軍がたとえば兵站(へいたん)でも合理的な作戦を立てて戦争に臨んでいたのに対し、日本軍は精神論で突き進んでいった。

合理的な作戦を立てている軍隊に対して精神論で挑んでも、勝てるはずがない。

これを見るかぎり、日本軍が本気でイギリス軍に勝とうとしていたようには思えない。

日本は最初から戦争に勝とうとしていなかったから、実際に負けたときにも、負けたことに対して何とも思わなかったのではないかという気がします。

 

白井:負ければ大変なことになる、そして現実に敗色濃厚になりつつある。

それらは自明だったわけですね。

そうなると、もうそんな現実は見たくない、というメンタリティではないでしょうか。

そういう意味では1945年の敗戦以前に「敗戦の否認」をしているのですね。

「国体護持」を唱えながら、国を真剣に守るという思考が停止していたのです。

で、敗戦の事実が確定した後にも、それをだらしなく続ける。

だから、関係者たちの責任が放置され、今日でも追及が甘い。

インパール作戦では、作戦を立てた牟田口廉也(むたぐち れんや)の責任は極めて重いわけです。

この点についてはインパール作戦を検証する番組などでも論じられます。

しかし、牟田口が戦後も何の罰も受けずに天寿を全うしたことはほとんど取り上げられません。

彼はあれほどひどい作戦を遂行したのに、畳の上で死んでいるんです。

そのことには全然光を当てない。

これは731部隊もそうですね。

731部隊が戦時中にいかにひどいことをやったかについては何度も論じられているので、そのことは広く知られているわけです。

だから今日では、731部隊の連中が戦後も活躍し、ついには薬害エイズ事件まで引き起こしてしまったということに関心を向けさせるべきです。

 

國分:それはイラク戦争についてもそうですね。

最近イギリスはイラク戦争について膨大な量の報告書を発表しましたが、日本はわずかA4数枚の報告書だけで済ませています。

第2次世界大戦についてもまともに責任を追及していません。

関係者の責任を追及しないというのが日本のお家芸のようなものになってしまっている。

 

・欧米へのコンプレックスとアジアへのレイシズム


國分:そこで白井君のビジョンを聞きたいのですが、日本国民はきちんと責任を取る近代的主体になるべきだと考えていますか。

『国体論』は近代的主体を肯定しているように見えると同時に、そういう安易な解決策を拒否しているようにも見えます。

この点についてどう考えていますか。

 

白井:それは結局のところ、どのような政治秩序を目指すべきかという話になると思うんですが、僕はあまり「こうあるべきだ」という理想がないんです。

アメリカやヨーロッパではデモクラシーが理想とされていますが、彼らのデモクラシーが今うまく機能しているようには見えません。

それではデモクラシーが無理だからといって、中国やロシアのように権威主義でいけばいいかというと、こちらにも多くの問題があります。

政治について研究すればするほど、それに期待することが少なくなりました。

まあ大体において政治なんてろくなもんじゃない。

重要なのは、政治ではなく、国民が元気でいられるかどうか、です。

国民に元気さえあれば、政治はろくでもなくても、それなりの秩序を形成できると思います。

たとえば、中国の人たちと話をしていると、彼らの中にナショナリズムと非ナショナリズムが共存していることがわかり、すごく面白いんですね。

彼らは「共産党なんてろくでもない」と思っている一方で、「共産党しかない」とも思っている。

それで自分は何をするのかというと、自分の商売を頑張る。

こういう発想なんですね。

これは「自民党なんていいとは思わないけど、自民党しかない」として自民党を支持している日本国民とは似て非なるものだと思います。

日本の場合は政治に対してすごくナイーブなんですよ。

 

國分:いまの問題に関しては『国体論』の中に1つの答えが出ていて、白井君はそれを「奴隷」という言葉で表しています。

ニーチェが言ったように、奴隷は自らが奴隷であることを否認し、自分の現状をすばらしいものだと思い込んでいる。

そして、「お前は奴隷なんだぞ」と言ってくる自由人たちを誹謗中傷し、自分の惨めな境遇を押し付けようとする。

この奴隷根性に関して非常にショッキングなのは、白井君の本によく出てくるアメリカの元国務長官、ジョン・フォスター・ダレスの分析です。

ダレスは日本について、日本人は欧米人に対するコンプレックスと同時にアジア人に対するレイシズムを持っており、この2つをうまく利用すれば日本を支配できる、と言った。

実際、日本はそれをうまく利用され、支配されてきました。

戦後の日本がアメリカの支配の中で受け取った価値観は、自由主義でも民主主義でもなく、結局のところ近隣のアジア諸国を差別する権利だったわけです。

こうしたコンプレックスの中にいるかぎり、日本の奴隷根性がなくなるはずがない。

これに対して、「共産党はろくでもないけど共産党しかない」と言っている中国には、奴隷根性はないわけですね。

そこが「自民党しかない」と言っている日本との違いだと思います。

中国の学生たちを見ていても、彼らには奴隷根性はないでしょう。

 

・『国体論』の先にある日本にとって重要な課題


白井:そう思いますね。中国の学生たちが会社に就職したあとにまず何を考えるかというと、どうやってその会社を辞めて独立するかということですからね。

最初の問いに戻れば、支配されているという事実、日本の状況がどんどん悪くなっているという事実から目を背けている奴隷根性が、安倍政権を支えている。

 

國分:この奴隷根性から脱出することが日本にとって重要な課題であり、『国体論』のひとつの課題でもあったと思います。

ただその際、奴隷根性から脱出したあとの姿があまりイメージできないということも事実です。

僕は『国体論』を読み、その問題意識に強く共感すると同時に、奴隷根性から脱した先のことを具体的に考えていく必要があると思いました。

この問題は今後も白井君と一緒に考えていきたいと思っています。

 

白井:まずは「国体」のもと、支配されていることを否認するという病癖に日本人が気づくことから始めるしかないでしょう。


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【隷属状態からの脱出が日本の最重要課題だ】日本人から思考を奪う「国体の正体」とは何か
東洋経済オンライン 2018/07/26
白井聡:京都精華大学教員/國分功一郎:東京工業大学教授
https://toyokeizai.net/articles/-/229556

 

 

 

白井聡(しらい さとし)】政治学者。1977年生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位修得退学。博士(社会学)。専攻は社会思想、政治学京都精華大学人文学部専任講師。おもな著作に『永続敗戦論』(石橋湛山賞角川財団学芸賞受賞、太田出版)、『属国民主主義論』(共著、東洋経済新報社)など(撮影:恩田陽)

 


國分功一郎(こくぶん こういちろう)】哲学者。1974年生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専攻は哲学。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。おもな著作に『中動態の世界』(医学書院、小林秀雄賞受賞)など(撮影:恩田陽)