■久米宏がワイドショーの嫌韓報道を真っ向批判!「テレビが反韓国キャンペーンをやってる」「韓国叩くと数字が上がるから」
exciteニュース 2019年8月21日
https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_litera_9765/
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・TBSラジオHPより
日韓の対立をめぐって、国際社会では日本の責任を問う声が日に日に大きくなっているというのに、日本のマスコミ、特にテレビは相変わらず韓国攻撃一色。
ヘイトまるだしの解説やコメントが連日、垂れ流される一方、「日本政府はもっと慎重に対応すべき」「国民ももっと冷静になるべき」という当たり障りのない意見すら口にできない状況になっている。
だが、そんななか、あの久米宏がテレビの異常な嫌韓報道を真っ向から批判した。
久米は17日に放送された、自身がパーソナリティを務める番組『久米宏 ラジオなんですけど』(TBSラジオ)のオープニングトークで、「このところテレビ、お盆休みということもあって、相変わらず観ているんですけども、ちょっと気になるのありまして。これはニュースと言いますか、ワイドショーのような番組で、日韓関係を取り上げているワイドショーがかなりあって」と切り出し、こうつづけたのだ。
「で、中身がですね、韓国に対して厳しい意見をお持ちの専門家の方をゲストに呼んだり、韓国に冷ややかな見方をしている専門家の人をゲストに呼んだり、あのー、揶揄するようなね、韓国を。(揶揄)するような人たちがひな壇ゲストに並んでいたりするワイドショーがわりと多くて、どうもね、テレビが反韓国キャンペーンをやっているような匂いが、僕、少しだけするんです。それってどうなのかなって」
テレビのワイドショーが反韓国キャンペーンをやっている──。
この久米の指摘は言うまでもなく正しい現状認識だ。
実際、『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日)ではマンガ家の黒鉄ヒロシが「断韓」という文字を掲げて国交断絶を訴えたり、『ひるおび!』(TBS)では安倍応援団コメンテーターの八代英輝弁護士が、輸出規制問題の報道についてハンギョレ新聞と中央日報、朝日新聞を「反日三羽烏みたいなもん」と言い出したり、完全に暴走状態。
しかも、久米の言うとおり、こうしたワイドショーに「専門家」として引っ張りだこになっているのは、『韓国人に生まれなくてよかった』(悟空出版)などというヘイト本の著者である武藤正敏・元在大韓民国特命全権大使。
コメンテーターも解説者も一緒になって“韓国が全部悪い”と連呼しつづけているのである。
そして、久米は、こうした「反韓国キャンペーン」状態にあるテレビのワイドショーについて、このように批判した。
「あの、国民がやや暴走するようなときに、それを抑えるのがじつはマスコミね、テレビとか新聞とか雑誌の役割じゃないかと、僕は思っているんですけど、どうも国民の感情が暴走しそうなのを、逆に煽ってるんじゃないかって、僕から見ると見えるんですけど」
「世論をね、なだめるような仕事をするのがマスコミの仕事じゃないかと思うんですけど、どうもね、最近ね、必要以上に韓国を非難している」
本来は、世論が暴走しているときには冷静に「なだめる」のがマスコミの仕事であるのに、いまの状態は、テレビが国民の感情を煽っているのではないか。
そう久米は批判したのだ。
まったくそのとおりだろう。
国内世論は完全に「韓国が悪い」「関係修復を望む言説は反日」という風潮一色に染まり、「和解」や「慎重な対応」を求めただけで「反日」と攻撃を加える、まるで戦争前夜のような空気に支配されている。
「世論をなだめる」というマスコミの役割を捨てているのだ。
一体なぜ、テレビはこんな報道をつづけているのか。久米の見立てはこうだ。
「もしかするとね、いま韓国を叩くとね、数字が上がるんじゃないかってね。(中略)そうじゃなきゃ、連日やってるワイドショーもあるんですよ。毎日、韓国叩きやってるんですよ」「これ、たぶんね、数字がいいんじゃないかなって。民放ってやりかねませんからね。数字が良ければなんでも」
悪しき視聴率至上主義の弊害──。
久米は加えて「数字が良いってことは、つまり、韓国叩きをやると喜んでテレビを観る人が多いってことにつながっていくわけですから、これはこれでまたね、もしかするとマスコミが国民を煽ってるんじゃなくて、国民がマスコミを煽ってるっていうね」とも述べたが、「嫌韓」という国民の劣情を、視聴率が取れるからといってテレビが煽動していることに間違いはない。
いや、そもそもは安倍政権が「歴史修正」と「報復」にこだわって、国民の嫌韓感情にお墨付きを与えている状況があり、テレビも心置きなく韓国叩きに精を出していると言うべきだろう。
そんな国家ぐるみで「嫌韓」感情が醸成されつづけるなかで、「テレビがやっていることは『反韓国キャンペーン』だ!」とはっきり物申した久米。
放送人として至極真っ当な批判だが、しかし、電波にのせてこうした当然の批判をおこなっているのは、久米と、あとはジャーナリストの青木理くらいだ。
それほど放送メディアのなかでは「『嫌韓』批判」がタブーになってしまっているという証拠だろう。
メディアがタブーにする問題にも、しっかり切り込む。
現に、久米といえばこれまでも、メディアがこぞって期待・歓迎ムードを煽っている東京五輪に対しても、“最後のひとりになっても反対する”と明言。
「東京都民が決めたんじゃないんですよ。勝手に決めたのを上から押し付けていいのかってこと」「福島の復興のためだって言ってますけど、福島の人はよろこんでいるのか、東京での五輪を」と猛烈に批判。
五輪そのものに反対しているだけでなく、上が決めたことを押し付け、国民がその決定に唯々諾々と従う、この国のあり方にNOの声をあげてきた。
さらに、先月に『あさイチ』(NHK)に登場した際にも、「僕はやっぱりNHKは独立した放送機関になるべき」と言及し、こう述べた。
「人事と予算で、国家に首元を握られている放送局があっちゃいけないんですよ。そういう国は先進国とは言えないです。絶対、報道機関は独立していないといけない」
「アンチ政府、アンチ国家の放送局、新聞があってしかるべきなんですよ。だいたいみんな同じになって。すっかり流行語になった忖度みたいなところで、よくないと思いますよね」
N国(NHKから国民を守る党)とはまったく違い、権力と対峙するためにNHKは独立機関にならなければならないと当のNHKの番組で堂々と説く。
タブーを恐れないその姿勢は、今回の嫌韓報道への批判にも貫かれている。
久米は、テレビの報道を「反韓国キャンペーン」と表現したあと、こう口にした。
「いまラジオ聴いてる方でね、『バカヤロー』って声が聞こえてきているんですけどね(笑)」「『何を言ってるんだ、久米のバカヤロー。韓国のマスコミはもっとひどいぞ。もっと反日キャンペーンをやってるんだ』っていう反論があると思うんですけど、向こうがやったらこっちもやるっていうのは、これはね、昔から言うの。『子どものケンカ』って言うんですよね(笑)」
リスナーから起こるであろうリアクションにもしっかり釘を刺す。
そして久米は、最後にこのように投げかけたのだ。
「隣の国とは仲良くしたほうが、絶対にいいんですよ。両方の国にとって、経済的にも、すべてプラスになるのね。まあね、国民が煽るのも良くないし、マスコミが煽るのも良くないし、ましてや政治家が煽るなんてことはとんでもない話だと、私は思います」
マスコミはもちろんのこと、政治家が隣国に対する嫌悪感情を煽るなどもってのほかだという、ごくごく常識的な久米のような意見が、テレビではまったく見られない異常。
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久米宏がワイドショーの嫌韓報道を真っ向批判!「テレビが反韓国キャンペーンをやってる」「韓国叩くと数字が上がるから」
exciteニュース 2019年8月21日
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■「韓国人は日本人が大嫌い」と信じる人の勘違い
東京在住38歳韓国人と話してわかった日韓の今
東洋経済 2021/07/26 日沖健
https://toyokeizai.net/articles/-/440500
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昨年知り合いになった韓国人のパク・チャンホ(仮名)さんと、先日、初めてゆっくりお話しをしました。
パクさんは38歳で、東京都に住んでいます。
韓国で生まれ、国内の大学を卒業後、韓国の中堅メーカーに就職しました。
退職して、6年前に来日し、現在は東京のエンジニアリング会社に勤務しています。
韓国では良い転職先が見つからず、思い切って日本に来たということです。
パクさんとお話しして韓国の現状はどうなっているのか、韓国人が日本・日本人をどう見ているかなど、いろいろな気づきがありました。
今回は、パクさんとの対話の中から印象に残ったことを紹介しましょう(あくまでパクさんという日本に住む日本びいきの韓国人の個人的な見解であることには留意してください)。
・「サムソン」の存在はあまりにも大きい
まず、お互いの経歴を話しました。
私が日本石油(現・ENEOS)を辞めてコンサルティング事務所を開業したと伝えると、パクさんから「日沖さんはもっと分別のある人だと思っていたので意外です」と言われました。
パクさんによると、韓国人にとってサムソンに就職できるかどうかがすべてで、サムソンに入社したら自ら辞めることはありません。
サムソンの入社試験の倍率は数百倍で、サムソンに特化した就職予備校があるそうです。
もちろんENEOSはサムソンほど優れた企業ではありませんが、大企業社員の座を自ら手放すのは、「アホなやっちゃ」となります。
私のことはともかく、いま東大生には大企業よりも外資系コンサルティング会社のほうが人気あります。
商社なども就職人気ランキングで上位を保っています。
サムソン社員に非ずんば人に非ずで、サムソンに就職することが「唯一の正しい生き方」となっている韓国と比べて、日本のほうが働く人の価値観は多様性がありそうです。
韓国では、少子化がどんどん進行し、2020年の合計特殊出生率は0.84(日本は1.34)。
この状況についてパクさんは「原因ははっきりしています。直接の原因は教育費と住宅費の高さ。さらにその原因は、やはりサムソンです」と明言しました。
パクさんによると、サムソンに入社するにはソウル大学か延世大学に入学する必要があり、小学校の頃から塾通いをしなければなりません。
ソウルでは小学生の7割以上が塾通いをし、中学生なら週6日通うのが普通です。
サムソンなど主要企業もソウル大学も延世大学もソウル市や近郊にあるので、ソウルの住宅価格は高騰し続けています。
ソウルで住居を取得し、子供を産み、育てるのは至難の業になっています。
日本でも東京一極集中が指摘されて久しいですが、京都大学が京都府に、トヨタが愛知県にあるように、そこまで東京オンリーではありません。
パクさんは、「私も3年間ソウル近郊に住んだことがありますが、いまの東京の暮らしのほうがいろいろな面ではるかに快適です。ソウルに戻るのはちょっとお断りですね」と言いました。
ただし、ジェンダーに関しては韓国のほうが進んでいて、「女性にとっては、韓国のほうが暮らしやすいかもしれませんね」とのことでした。
儒教の影響で年長の男性が尊重されるというイメージが強い韓国ですが、いまどき男尊女卑の性は絶対に結婚できません。
深刻な結婚事情を反映して、韓国の家庭では女性の発言権がどんどん強まっています。
朴槿恵大統領が誕生したことを挙げて、私が「政治の世界でも、韓国のほうが女性の活躍が進んでいますね」というと、パクさんは「まあ日本との比較ではそうなるんでしょうけど、欧米諸国と比べると目くそ鼻くそ(パクさんは日本語が流暢)です」と答えました。
・韓国人は日本人をどう見ているか?
続いて、「韓国人は日本人をどう見ているのか」というちょっと微妙なことをパクさんに聞いてみました。
まず、日本人と韓国人の似ているところ。
「世間体や面子、他者からの評価を重んじるところは、かなり似ているのではないでしょうか」という見解でした。日本人が世間体や面子を気にするのはたしかにその通りですが、韓国人も負けず劣らずということのようです。
「韓国人は、進学でも就職でも、何を勉強したいか、どういう仕事をしたいかよりも、まわりの人にどう思われるかを気にします。韓国人は主要国で最も自殺者が多いわけですが、経済的な理由は少なく、友達から悪口を言われた、名誉・プライドを傷つけられた、といった理由であっさり自殺しますね」
逆に、日本人と韓国人で違っているところ。
「韓国人は正しい・間違い、好き・嫌い、敵・見方と、ものごとを2つに割り切ろうとします。それに対し日本人は、どちらでもない、という曖昧な部分を常に残そうとする印象です」
その例としてパクさんは、大統領・首相への政権支持率を挙げました。
「朴槿恵前大統領は、汚職によって国民の信任を失い、政権末期には支持率がなんと4%になりました。一方、安倍前首相や菅首相はあれだけスキャンダルや失政だらけでもかなりの支持率を維持しています。韓国だったら、一度ダメという評価になったら、再起不能になるまでとことん叩きのめされます」
私が「韓国人は熱しやすく冷めやすいのでは?」と聞くと、パクさんは「そうかもしれませんね。でも、忘れっぽいっていうことだと、日本人も同じじゃないですか。戦前の韓国統治のこととか、すっかり忘れてますからね」と言ってかすかに笑いました。
・「そんなに日本人が嫌いではないですよ」
それを受けて私が「やっぱり韓国人は、日本人のことを憎んでいるんですか?」と聞くと、「人によるし、世代によりますね。でも、中国人よりも日本人のほうが好きという人が多く、そんなに日本人が嫌いではないですよ」という答えでした。
「戦前の日本の統治や戦後の朝鮮動乱を経験している70代以上の世代は、日本人に強い敵愾心を持っています。彼らに育てられた今の40代から60代は、日本人のことを好きではありませんが、敵意までは持っていません。私のように30代より下の世代は、ほとんど気にしていないのですが、人から尋ねられたら『嫌い』と言わないとちょっとまずいかな、という雰囲気は残っています」
また、ビジネスの競争相手としても日本人を強く意識しているようです。
「大半の韓国人にとって、日本人は色んな点で最も気になる存在ですね。中国人よりもアメリカ人よりも。ビジネスでは日本を最大の競争相手と考えていますし、日本の文化には強く憧れています。日本・日本人への関心は高く、私も韓国に住む知人から日本での就職や日本人との結婚についてしょっちゅう人生相談を受けています」
最後に、今回パクさんとお話しした中で最も印象に残ったコメント。
「日本人はネトウヨみたいな韓国人ヘイトの人ばかりかと思って怖かったですが、来てみたら日常ではまったくそんなことはない。一方、韓国でも日本人に敵意剥き出しって人を探すのはたいへんなくらいです。外交のニュースやネット掲示板などを見ると、日本と韓国は今にも国交断絶しそうな勢いですが、あれってなんなんでしょうかね」
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■「韓国人は日本人が大嫌い」と信じる人の勘違い
東京在住38歳韓国人と話してわかった日韓の今
東洋経済 2021/07/26 日沖健
https://toyokeizai.net/articles/-/440500
■『「反日中韓」を操るのは、じつは同盟国・アメリカだった!』
出版社:ワック (2014/10/24)