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日銀金融緩和で刷られた円の行き先が日本企業でも日本国民でもないカラクリ(Dr.苫米地 2016年9月15日TOKYO MXバラいろダンディ) https://www.youtube.com/watch?v=tvzNqO6qsGI

【賃上げ税制、制度が利用できるのはごく一握りの好業績・優良企業!】企業の収益格差をさらに拡大~優良企業が最大40%の税控除を受ける一方、厳しい多数の中小企業は税控除を受けることができない~

 

 

■賃上げ税制「制度が利用できるのはごく一握りの好業績・優良企業」

NRI 野村総合研究所 2021/12/8 木内登英野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト

https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2021/fis/kiuchi/1208


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・大幅に引き上げられる賃上げ税制の控除率


12月10日にまとめられる予定の2022年度与野党税制改正大綱の議論が、大詰めを迎えている。

その最大の注目点は、企業の賃上げを促す「賃上げ税制」の強化である。


現在の制度のもとでは、大企業が新規採用者への給与支払い分を前年度比2%以上増やした場合に、その増加分に対して法人税が15%控除される。

中小企業については、給与の支払総額を1.5%以上増やせば増加分の15%が控除される。

さらに教育訓練費を一定額以上増やすと大企業では5%、中小企業では10%の控除率が、それぞれ上乗せされる。

最大の控除率は、大企業で20%、中小企業で25%である。


この制度が修正、拡充される。

大企業については、前年度から継続雇用している従業員に対象を改め、賃上げ率の条件も「2%以上」から「3%以上」へ引き上げる方向で議論が進んでいる。

一方で、賃金を4%以上増やした上に社員教育を充実させると、控除率は最大で30%となる。

中小企業については、控除率を最大40%とする見通しだ。


「賃上げ税制」は、3%の賃上げ目標を掲げた安倍政権が2013年に導入したが、期待された効果はあげられなかった。

その制度を強化するだけで、賃上げを促す効果が果たしてどれほどあるのか疑問、との声に応えるかのように、議論が進む中で控除率がどんどん引き上げられていき、大盤振る舞いとなった印象である。

規模の大きさを求める声が高まる中、過去最大規模にまで膨れ上がっていった先般の経済対策と似た構図だ。

 

・制度が利用できるのはごく一握りの好業績・優良企業


税制面からの強いインセンティブが与えられることで、企業の賃上げが促されることが全くないとは言わないが、目立った効果はあげられないのではないか。

企業にとって税優遇の効果は一時的である一方、ひとたび基本給を引き上げれば、それは容易には引き下げられず、経営環境によっては収益を圧迫しかねない大きな負担となるからだ。

将来の成長期待が乏しい中、一時的な税優遇だけで、企業が大幅な賃上げを決めるとは考えにくいところである。

こうした小手先の政策ではなく、企業の成長期待を高める政策を進めることこそが、企業に賃上げを促す最良の策であり王道なのではないか。


ところで、企業にとって一人当たりの賃金支払いの増加率は、定期昇給分を除くベースアップ率に近いものとなる。

仮に新卒採用者と定年退職者の数が等しく、雇用者数が一定の場合、年功序列定期昇給分は、一人当たり平均賃金支払いの上昇にはつながらないからだ。

そしてそのベースアップ率は、安倍政権の下でのピークでも+0.4%台半ばにとどまった。

さらに、新型コロナウイルス問題によって、2021年にはほぼゼロ近傍まで低下した。


そのベースアップ率に近い一人当たり現金給与総額の所定内賃金(毎月勤労統計)は、昨年は前年比+0.2%、今年は最新10月の値で前年同月比-0.2%である。

これが企業の賃上げの平均的な姿である。

+3%、+4%の賃上げができる企業は、相当業績が良く、また将来の売り上げ増加期待が強い、ごく一握りの優良企業であるはずだ。


そうした優良企業が最大40%の税控除を受ける一方、厳しい経営環境で賃上げが実施できない多数の企業は、税控除を受けることができない。

これは、企業の収益格差をさらに拡大させてしまうことになるだろう。


コロナ禍によって、企業間の業績の格差はかなり広がった。

これを縮小させることが短期的には求められる中で、「賃上げ税制」の強化は逆に格差を一段と拡大させる方向に働く、という大きな問題を抱えているのではないか。


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賃上げ税制「制度が利用できるのはごく一握りの好業績・優良企業」
NRI 野村総合研究所 2021/12/8 木内登英野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト
https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2021/fis/kiuchi/1208

 

 

 

 

 


■安倍首相私邸前で「もっと補償しろ」デモ…「ウイルスではなく奴等に殺される」悲痛な叫び

exciteニュース 2020.05.01 Business Journal

https://www.excite.co.jp/news/article/Bizjournal_202005_post_155069/


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陽射しが強くカラッと晴れた日曜日の午後。

東京・渋谷区の神山町富ヶ谷、松濤界隈はいつにも増して静かで穏やかだった。


都内でも屈指の高級住宅街として知られるこれらの地区に、安倍晋三首相や麻生太郎財務大臣の私邸がある。

4月26日午後3時50分頃、この住宅街に約60人のデモ隊が訪れ、シュプレヒコールをあげた。


「要請するなら補償しろ!」

「安倍はビンボーやってみろ!」

「麻生もビンボーやってみろ!」

マスク2枚じゃ食えねぇぞ!」

「カビノマスクを着けてみろ!」


新型コロナウイルス感染拡大を抑制するための自粛要請で仕事を失い、収入を失い、家を失いかけている人たちが、「休業補償しろ」と怒りの声をあげたのだ。

デモ隊は、安倍私邸のすぐそばまで到達すると、警察官が設置したバリケードの向こうにある安倍首相の私邸に向けて「安倍辞めろ!」の大合唱を何度も繰り返した。


感染拡大防止のために、「自粛要請」という名の強制が進行し、生活苦で死にそうな人が激増している。

そうしたなかで、仕事を失った女性や苦境にあえぐ現役大学生らが呼びかけたデモが初めて実施されたのは4月12日。


この日は第2回目の行動だった。

 

・給付金10万円では生きられない


当日の午後2時半、「要請するならもっと補償しろ」デモのスピーチが、渋谷駅ハチ公前広場で始まった。


人との接触を8割減らすのが外出自粛の目的だが、見た目には9割減と言ってもおかしくないほど人が少ない。

デモの呼びかけ人のひとりである男子大学生がマイクを握った。


「4月12日に『自粛要請するなら補償しろ』と、初めてデモをやりました。そうして声を出して要求した結果、一人10万円の給付が決定されました。大学はオンライン授業になっていますが、全員がパソコンを持っているわけでなく、出費も重なります。年間100万円の学費も払えない。大学は学費を返してください。本来は世帯30万円とされていた給付が、ひとり10万円になりました。まだ給付されていないし、10万円1回きりでは食べていけません」


使い捨て手袋をマイクにかぶせアルコール消毒してから次の人に渡されるため、少し手間取ったが、続けて呼びかけの中心人物、ヒミコさんという女性がスピーチした。


マスク2枚じゃ食えないぞと思っている人は大勢います。私自身も、仕事を失って生活苦の中、精神的にもとても苦しいです。もともとアルバイトで月収が10万円を割ることもあり、そこにコロナ災害が重なり、店を閉められて仕事を失いました。安倍さんや麻生さんは、月10万円で暮らしていけるのでしょうか。もっと補償してもらわないと、外に出て仕事しなければならない人が大勢です。コロナ(ウイルスが感染拡大する)前から非正規労働者は貯金もなく資産もありません。誰がこんな世の中にしたのか。派遣など非正規労働者を増やし、この社会にアンダークラス(労働者階級のさらに下の階層)をつくったすべての人に、私は怒りを向けています」


ヒミコさんが言うように、今回のコロナショックで日本社会の姿が暴露されたと言っていい。

格差社会を意図的につくってきた与党と政府、財界などのデタラメぶりがあらわになっているからだ。

 

・現代版インパール作戦アンダークラス


休業を求め外出規制する代わりに、手厚い金銭補償をするドイツ、フランス、イギリス、ニュージーランドアメリカなどに比べ、「要請」という名の強制をするだけで補償しない日本政府は異常だ。


第二次大戦中、食料を現地調達せよと、食料や物質の調達を確保しないまま兵士に作戦を命じ、膨大な数の兵士を死なせた“インパール作戦”と同じなのは、誰の目にも明らかだろう。

検査数も抑え、自粛要請しても補償はほとんどしない日本政府と、それに追随するテレビ局や文化人の一部は、「欲しがりません、勝つまでは」との戦争中のスローガンを2020年の今、叫んでいるに等しい。


こうした彼らの態度が、格差社会拡大による人々の分断を、いっそう強めている。

上級国民や富裕層はもとより、中産階級や正規労働者までもが、その下のアンダークラスに対しては基本的に冷たい。


深刻なコロナ被害を受けるのは、アンダークラスや零細事業主、行き詰まった個人事業主である。

彼らはなんとかして働かなければならない。


休業してもぎりぎり暮らせる、あるいは給料が減っても雇用だけはしばらくなんとかなりそうなレベルの人たちのなかには、自粛期間中の今回のデモを誹謗中傷する向きもある。

だが、アンダークラスや零細事業主は、デモ参加者たちのように「仕事しないと生活はムリ」「バイトがないと学生死ぬ」という状況であり、実際にコロナ経済苦境で自殺している人も出ているのだから、街頭デモだろうがなんだろうが「要請するなら補償しろ」と叫ぶしかないのだ。


デモの参加者が持っていたプラカードが象徴的だった。

「このままではウイルスではなく奴等に殺される!!」


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安倍首相私邸前で「もっと補償しろ」デモ…「ウイルスではなく奴等に殺される」悲痛な叫び
Business Journal 2020.05.01
https://biz-journal.jp/2020/05/post_155069.html

 

 

 

 

 

 

■コロナ経済支援打ち切りの狙いは中小企業の淘汰!~アトキンソン氏「中小は消えてもらうしかない」発言を現実化~

最低賃金の引き上げによって中小企業を淘汰」

エキサイトニュース(2020年12月11日)

https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_litera_11405/