oonoarashi’s blog

日銀金融緩和で刷られた円の行き先が日本企業でも日本国民でもないカラクリ(Dr.苫米地 2016年9月15日TOKYO MXバラいろダンディ) https://www.youtube.com/watch?v=tvzNqO6qsGI

【平均賃金は韓国以下…「貧しい国」になった日本】日本人は国際的に低い給料の本質をわかってない、アベノミクスにより世界5位から30位に転落した~日本人は知らない…日本人がどんどん「貧しく」なっている「本当の理由」~


■平均賃金は韓国以下…「貧しい国」になった日本

文春オンライン(2021/03/04)

https://bunshun.jp/articles/-/42697


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「日本は世界でもトップクラスの豊かな先進国である」というのは、多くの日本人にとって当たり前の話だった。


だがその常識は近年、音をたてて崩れ始めている。


諸外国と比較して日本人の賃金は大幅に低くなっており、近い将来、中国や東南アジアに出稼ぎに行く人が増えるのはほぼ確実と言われている。


多くの読者の方は「そんなバカな」と思われるかもしれないが、日本が急速に貧しくなっているのは紛れもない事実である。


私たちはこの厳しい現実を受け入れ、従来の価値観から脱却する必要がある。

 


・平均賃金ではすでに韓国以下

 

OECD経済協力開発機構)が行った賃金に関する調査は衝撃的だ。

2019年における日本人の平均賃金(年収)は3万8617ドルだったが、米国は6万5836ドル、ドイツは5万3638ドルと大きな差を付けられている。


それだけではない。

かつては途上国というイメージの強かった韓国ですら、4万2285ドルとすでに日本を追い抜いている。


日本人の賃金は米国の6割程度しかなく、韓国よりも低いというのが偽らざる現実である。

こうした数字を出すと、為替の影響があるので単純には比較できないという意見が出てくるのだが、OECDの調査は購買力平価を用いたドル換算なので、為替や物価の影響をすべて考慮したものである。


数字の差は、各国の本質的な豊かさの違いと考えてよい。

 

 

・初任給「50万」の壁

 

もう少し分かりやすい例をあげてみよう。

日本における大卒初任給は約20万円だが、米国では50万円を超えることも珍しくない。


筆者は以前、香港のホテルで一杯飲もうとビールを注文したところ1500円以上取られてビックリしたことがあったが、海外では価格が高めの店に行くとビール一杯1500円から2000円というのはごく普通である。


国内にいるとピンと来ないかもしれないが、海外にしょっちゅう行く人の間では、日本の豊かさは先進諸外国の3分の2から半分程度というのがリアルな感覚といってよいだろう。


仮に賃金が安くても、国内の物価が安ければ生活しやすいという見方もできるが現実はそうはいかない。

私たちが日常的に購入するモノのほとんどは輸入で成り立っており、海外の経済状況から影響を受けてしまう。


海外の方が豊かであれば、輸入品の価格が上昇するので、日本人が買えるモノの量が減ってしまうのだ。

自動車はまさにその典型である。

 


・日本人にとってクルマはもはや高嶺の花

 

自動車はグローバル商品なので世界中どこで買っても価格は同じである。

トヨタ自動車の1台あたり平均販売価格は世界経済に歩調を合わせ約20年で1.5倍になった。


だが日本人の賃金は横ばいなので、日本人にとってクルマはもはや高嶺の花だ。

多くの若者が愛用するiPhoneは機種によっては1台10万円くらいするが、初任給が20万円の日本人と50万円の米国人では負担感の違いは大きいだろう。


近年、食品などにおいて価格を据え置く代わりに内容量を減らすという隠れた値上げ(いわゆるステルス値上げ)が増えている。

内外の賃金格差というのは、こうした形でジワジワと日本人の生活を苦しめていく。


日本人の賃金が上がっていないのは、バブル崩壊以降、日本経済が成長を止めてしまったからである。

同じ期間で、諸外国は経済規模を1・5倍から2倍に拡大させたので、相対的に日本は貧しくなった。


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平均賃金は韓国以下…「貧しい国」になった日本
文春オンライン(2021/03/04)
https://bunshun.jp/articles/-/42697

 

 

 

 

 

■日本人は国際的に低い給料の本質をわかってない

アベノミクスにより世界5位から30位に転落した~

東洋経済 2021/10/03 野口悠紀雄

https://toyokeizai.net/articles/-/458676


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日本の賃金は、OECDの中で最下位グループにある。

アメリカの約半分で、韓国より低い。


同様の傾向がビッグマック指数でも見られる。

ところが、アベノミクス以前、日本の賃金は世界第5位だった。


その後、日本で技術革新が進まず、実質賃金が上がらなかった。

そして円安になったために、現在のような事態になったのだ。


円安で賃金の購買力を低下させ、それによって株価を引き上げたことが、アベノミクスの本質だ。

昨今の経済現象を鮮やかに斬り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する──。


野口悠紀雄氏による連載第53回。

 


・日本の賃金はアメリカの約半分で、韓国より低い

 

OECDが加盟諸国の年間平均賃金額のデータを公表している。

2020年について実際のデータを見ると、つぎのとおりだ。


日本は3万8515ドルだ。他方でアメリカは6万9391ドル。

したがって、日本の賃金はアメリカの55.5%でしかない。


ヨーロッパ諸国を見ると、ドイツが5万3745ドル、フランスが4万5581ドル、イギリスが4万7147ドルだ。

韓国の賃金は4万1960ドルであり、日本の値はこれよりも低い。


2020年において日本より賃金が低い国は、旧社会主義国と、ギリシャ、イタリア、スペイン、メキシコ、チリぐらいしかない。

日本は、賃金水準で、いまやOECDの中で最下位グループに入っていることがわかる。


だから、日本人は、日本で得た賃金を外国で使っても、あまり大したものが買えない。

こうした状況に対処しようと思えば、アメリカや英独仏、あるいは韓国などに出稼ぎに行き、日本より高い賃金を得ることだ。


日本人が老後生活を送るためには、海外出稼ぎを真剣に考えなければならない時代になってきた。

ビッグマック指数」というものが算出されている。


これは、イギリスのエコノミスト誌が公表しているデータで、各国のビッグマックの価格を比較したものだ。

2021年のデータを見ると、つぎのとおりだ。


日本のビックマックは390円で、これを為替レートで換算すると3.55ドルになる。

他方で、アメリカのビックマックは5.65ドルである。


したがって、日本のビックマックはその62.8%ということになる。

上で見たように、OECDの数字では、日本の賃金はアメリカの賃金の55.5%だった。


ビッグマックの価格の違いも、賃金格差のデータとほぼ同じだ。

またユーロ圏のビックマックはドルに換算して5.02ドル、イギリスのビックマックが4.5ドルである。


これも、賃金格差とほぼ同じ傾向だ。

さらに、韓国のビックマックは4.0ドルであり、これは日本の3.5ドルより高い値になっている。


これも賃金の場合と同じだ。

 


ビッグマックの価格は日本が最低


ビッグマック価格が日本より低い国は少ない。

これも賃金の場合と同じだ。


このように、賃金で見てもビックマック価格で見ても、日本と外国の格差は同じような傾向になっている。

これは、ビッグマック指数がある時点での賃金の国際比較をするのに使えることを意味する。


これは、別に不思議なことではないし、偶然でもない。

ビッグマックの価格と賃金の比率がどこの国でも大体同じような値であれば、賃金における日本と外国の比率と、ビックマック価格における比率は、ほぼ同じようなものになるはずだからだ。


もう少し詳しく言うと、つぎのとおりだ。

OECDの数字は、2020年を基準とした実質賃金を、2020年を基準とした購買力平価でドル表示したものだ。


したがって、物価の変動を除去した実質賃金であり、また為替レート変動の影響を除去したものになっている。

どちらも2020年を基準としているので、2020年については、名目賃金を実際の為替レートで換算した額に等しくなっている。


日本人の賃金が国際的に低いという状態は、昔からそうだったのだろうか?

アベノミクスが始まる前の2010年がどうだったかを、ビックマックの2010年の価格(ドル換算値)で見ると、つぎのとおりだ。


日本は3.91ドルで、アメリカの3.71ドルやイギリスの3.63ドルより高かった。

日本より高かったのは、スイス、ブラジル、ユーロ圏、カナダだけだった。


韓国は3.03ドルで、日本より低かった。

この時には日本のビッグマック価格がこれだけ高かったのに、いまは低くなってしまったわけだ。


つまり、日本人は、国際的に見て、アベノミクスの期間に急速に貧しくなってしまったことになる。

 


・日本の実質賃金は伸びなかった

 

なぜ日本は急速に貧しくなったのだろうか?

それを見るために、OECDの年間平均賃金額データで2010年の値を見ると、つぎのとおりだ。


日本の値は3万8085ドルで、アメリカの6万1048ドルよりかなり低い。

またイギリスの4万6863ドル、ドイツの4万7054ドル、フランスの4万4325ドルなどに比べても低い。


また韓国の値は3万6140ドルであり、日本と大差がない。

このように、2010年においては、OECDの数字とビッグマック指数がかなり異なる状況を表している。


こうなる理由は、つぎのとおりだ。

上で述べたように、OECDの数字は、2020年を基準とする購買力平価によって各国を比較している。


ところが、2010年は円高だった。

しかし、2020年基準購買力平価では、2020年と同じ購買力にするように為替レートを調整するので、2010年の現実の為替レートよりは円安のレートで比較しているのだ。


したがって、日本の賃金は、国際比較で低く評価されることになる。

このようなデータを算出しているのはなぜか?


それは、為替レート変動の影響を取り除いて、その国の実質賃金が時間的にどのように変化したかを見るためだ。

2020年購買力平価で計算した数字を時系列的に見れば、各国通貨表示で見た実質賃金の推移を表わしていることになる。


そこで、年間平均賃金額について、2000年に対する2020年の比率を見ると、つぎのとおりだ。

韓国は1.45倍と非常に高い値だ。


アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスは、1.2倍程度だ。

ところが、日本は1.02でしかない。


つまり、この20年間に、実質賃金がほとんど上昇しなかったのだ。

実質賃金が上がらず、かつ円安になったために、ビッグマック指数で見た日本の地位が低下したのだ。

 


アベノミクスの本質:労働者を貧しくして株価上昇


日本の賃金が国際的に見て大幅に低い状況は、本来は不均状態とはいえない。

なぜなら、もしマーケットが正常に機能していれば、日本製品の価格が安いのだから、日本の輸出が増え、円高になるはずだからだ。


この調整過程は、現在の上記の不均衡がなくなるまで続くはずだ。

しかし、円高になると、輸出の有利性は減殺される。本来は、円高を支えるために、企業が技術革新を行い、生産性を引き上げねばならない。


それが大変なので、円安を求めたのである。

手術をせずに、痛み止めの麻薬に頼ったようなものだ。


このため、日本の実質賃金は上昇しなかったのだ。

物価が上がらないのが問題なのではなく、実質賃金が上がらなかったことが問題なのだ。


賃金が上がらず、しかも円安になったために、日本の労働者は国際的に見て貧しくなった。

日本の企業が目覚ましい技術革新もなしに利益を上げられ、株価が上がったのは、日本の労働者を貧しくしたからだ。


これこそが、アベノミクスの本質だ。


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日本人は国際的に低い給料の本質をわかってない
アベノミクスにより世界5位から30位に転落した~
東洋経済 2021/10/03 野口悠紀雄
https://toyokeizai.net/articles/-/458676

 

 

 

 

 

 

■“旧中間階級”は年収127万円減、貧困大国ニッポンの全「階級格差」データを初公開!

週刊ダイヤモンド 2021.9.6

https://diamond.jp/articles/-/281185


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・あなたはどの階級?1億総転落の「格差世襲」地獄


もはや、日本は経済大国ではなく、貧困大国になってしまったのかもしれない。

今も日本の国内総生産GDP)は世界3位の座にあり、辛うじて国力としての豊かさを保ってはいる。


それでも、働き手個人の豊かさがないがしろにされているという意味において、日本は貧困放置国家へ落ちぶれてしまったも同然である。


そもそも、日本で格差拡大が始まったのは、1980年ごろのことだ。

それから40年。産業別、企業別、男女別のどれをとっても、賃金格差はいまだに解消されるどころか、拡大を続けている。


日本の格差問題を固定化し、かつ深刻化させたのは、80年代から急速に労働現場に浸透した非正規労働者の存在である。

正社員が担っていた仕事の一部を、低賃金の非正規労働者に置き換えていったのだから、格差が拡大していくのは当然のことだ。


今の日本社会を、「格差社会」などという言葉で表現するのは実態を表していない。

格差社会よりもはるかにシビアな「階級社会」へ変貌を遂げていたのだ。


それは、出自や教育環境、就職時期の経済環境などによって階級が決まる「現代版カースト」ともいえる理不尽な世界だ。

厄介なことに、階級格差は親から子へ、子から孫へと世代を超えて連鎖し受け継がれていく。

世襲されることで、格差は加速度的に広がっていくのだ。

 

・大きな図解で日本の「新・階級社会」を解説 全5階級で年収激減の衝撃


そして、新型コロナウイルスの感染拡大は、階級格差をさらに広げる「副作用」を引き起こした。

結果、日本人の脳裏にかすかに残っていた1億総中流という意識を完全に打ち砕いてしまった。


階級格差の苛烈さは、あるデータを見れば一目瞭然だ。

橋本健二早稲田大学人間科学学術院教授は、データを駆使して日本社会の階級構造を定点観測してきた格差問題のスペシャリストである。


今回、橋本教授の協力を得て、コロナショック前後で世帯収入、貧困率、働き方がどう変わったのかを徹底検証した「階層調査データ」を初公開する。

それによれば、〝格差世襲〟を裏付ける衝撃の事実が明らかになった。


データの詳細解説に入る前に、階級の分類について説明しよう。

橋本教授は、日本社会を形成する階級を、職種や雇用形態などにより五つに分類してきた。

血統や資産を持つ「資本家階級」、大企業エリートやホワイトカラーなどの「新中間階級」、自営業者や家族経営従事者などの「旧中間階級」、単純作業やサービス業・販売業などの「正規労働者」、非正規労働者の「アンダークラス」の5階級がそれだ。


今回のコロナ危機が、それぞれの階級に属する人々にどのような生活・働き方の変化をもたらしたのか。

2021年の1月から2月にかけて実施した「三大都市圏調査」で明らかになった。


その結果、コロナショックを境に、資本家階級からアンダークラスまでの全5階級において、年収が激減するという衝撃の結果が導き出された。

ただし、コロナによる「打撃度」には、階級によって大きなばらつきがあった。

 

・自営業の「旧中間階級」年収127万減!旧中間階級は中流から滑り落ちた


端的にいえることは、コロナ禍は人々に平等に襲い掛かったわけではないということだ。

二つの階級──、旧中間階級とアンダークラスに集中砲火を浴びせた。


とりわけ打撃が大きかったのは旧中間階級だ。

世帯の平均年収が19年には805万円あったのに、20年には678万円。


わずか1年で年収が127万円も激減した。

19年は新中間階級(863万円)と肩を並べるレベルだったのに、20年は正規労働者並み(644万円)まで落ち込んでしまった。


完全に「中流」から滑り落ちてしまったのだ。

アンダークラスの惨状も厳しいものがある。


もともと低賃金労働が多い階級ではあるのだが、20年の世帯の平均年収は393万円と400万円の大台を切ってしまった。

世帯収入の減少率12.0%と旧中間階級の15.8%に次いで落ち込みが激しい。


貧困率でも、旧中間階級とアンダークラスの厳しさは一目瞭然だ。

貧困率とは、低所得で経済的に貧しい状況にある世帯の割合を示す指標のことをいう。


20年の貧困率では、旧中間階級20.4%、アンダークラス38.0%と高止まりしている。

負の影響が偏った背景には、その階級の人々が従事している業種特性がある。


橋本教授は「緊急事態宣言などコロナ対策では、さほど説得力のあるエビデンスもないのに、飲食店、とりわけ酒類を提供する飲食店が狙い撃ちされた。

その上、十分な補償も行われなかったため、旧中間階級が経営難に陥った」と解説する。


また、旧中間階級には、装飾品や衣服、家具など不要不急のものを扱う自営業者も多く、やはり経営難に陥っているケースが多い。

そして、これらの飲食店や小売店には、非正規労働者が多く働いている。


だからこそ、この二つの階級が打撃を受けたのだ。

ただでさえ、旧中間階級では自営業者の衰退が進んでいる。


アンダークラスに至っては、貧困層の拡大に歯止めがかからず、経済的苦境に置かれている労働者は多い。


一方で、コロナ禍が新中間階級と資本家階級へ与えた負のインパクトは世帯の平均年収が下がったとはいえ、比較的軽微だった。

そのため、資本家階級・新中間階級と、旧中間階級・アンダークラスとの「階級格差」はますます広がっていくことになる。

 

・リストラ、教育無償化…同じ階級間での椅子とりゲーム


週刊ダイヤモンド9月11日号表紙『週刊ダイヤモンド』9月11日号の第1特集は、「新・階級社会 上級国民と中流貧民」です。

日本社会“階級化”は、異なる階級間の格差を助長するだけではありません。


同じ階級間の争いも勃発します。

ある会社員が今いる階級にとどまろうとすると、同じ階級に属している別の会社員を蹴落としてしまうといった事態も起こっています。


一番分かりやすいのが、大企業のリストラです。

今回の階層調査では、最も影響が軽微だったのが新中間階級。


でも、彼らの将来の見通しが決して明るいわけではありません。

ホンダやパナソニックなど、かつてのエリート大企業が、まだ財務的余裕のある段階で、早期退職プログラムを導入し、生産性の低いシニア社員を標的にリストラを敢行しています。


リストラは、ある意味、同じ組織内におけるポジション争い。

中高年を退出させて空いたポストに若年層を配置するための強制手段だともいえるからです。


すでに、「階級内闘争」が始まっているということなのです。

大方の日本人の中流意識が崩壊していたとはいえ、新中間階級には大企業エリートが多く、自身を〝中の上〟と認識しているホワイトカラーは少なくない。


その認識がいつ崩れても不思議ではないのが実情です。

また、かつてこんな話もありました。


19年から順次始まった教育の無償化(幼児教育、私立高校、高等教育の無償化)が導入されるとき文部科学省に、子を持つ親世代からクレームが入ったといいます。

「国費で教育支援をするとは何事か。


うちの子のアドバンテージがなくなってしまうではないか」という、身勝手なクレームです。

今や、親が子に授けられる最も確実な資産は「金よりも教育」とされる時代。


これもまた、見えと嫉妬に満ちた、中流間での階級闘争だといえます。

自営業者の衰退、貧困層の拡大、エリートの転落、教育の椅子取りゲーム──。


ほんの一握りの資本家階級を除き、全階級で下降圧力が強まっています。

日本社会は、血脈・血統を持つ一握りの上級国民が統べる「新・階級社会」へ変貌を遂げました。


これが日本型「カースト」の偽らざる実像なのです。


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“旧中間階級”は年収127万円減、貧困大国ニッポンの全「階級格差」データを初公開!
週刊ダイヤモンド 2021.9.6
https://diamond.jp/articles/-/281185

 

 

 

 

 


■日本人は知らない…日本人がどんどん「貧しく」なっている「本当の理由」

東京五輪でますます貧しくなってしまう

週刊現代講談社)2021.2.20

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/80299?imp=0


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コロナが世界を蹂躙して経済が停滞しオリンピックどころではなくなっているが、コロナ前から先進国で最も凋落が著しかったのがホスト国である我らが日本で、コロナ禍も加わって“斜陽”が止まらなくなっている。


家計調査を見ても、財務省の平均給与と国民負担率を見ても落ちるところまで落ちた感があるが、インバウンドも期待できないのに無理してオリンピックを開催したら一段と貧しくなってしまうのではないか。いったい誰が日本をここまで貧しくしてしまったのだろうか。


流通ストラテジストで『アパレルの終焉と再生』の著者、小島健輔氏が「本当の理由」を解説する――。


・家計消費支出に見る「日本人の貧困化」


総務省家計調査(二人以上世帯)の20年平均消費支出が前年から5.3%も減少し、「被覆及び履物」支出は18.9%、「教養娯楽」支出は同18.6%も減少したが、コロナ禍ばかりが要因ではなく、その前から日本は貧しくなっていた。


2000年と比べれば家計消費の平均消費支出は87.6%に減少し、「被覆及び履物」支出は54.5%に、うち「アパレル」(洋服・シャツ・セーター)支出は54.3%に激減したのだから、アパレル業界が破綻の瀬戸際に追い詰められたのも致し方あるまい。


家計消費支出に占める「アパレル」の比率は3.00%から1.86%まで低下し、この間に2.14%から2.69%に伸びた「ビューティ」(理美容用品・サービス)支出に追い抜かれている。

2020年も「ビューティ」支出は4.2%しか落ちておらず比率は僅かに上昇したが、これは家計調査が日本国民を対象としたもので外国人世帯も来日観光客も含まれていないからだ。


他に増えたのは「保険医療」支出(実額は25.2%増、シェアは3.58%から5.11%へ)、「通信」支出(実額は41.6%増、シェアは3.00%から4.85%へ)で、エンゲル係数(「食料」支出)が23.3%からコロナ前の19年で25.7%、20年は巣籠もり消費で27.5%に跳ね上がったのは生計の窮乏を実感させる。


「教育」が実額で26.1%減少し、シェアも4.39%から3.70%に落ちたことも貧困化を象徴しているのではないか。


・日本人の「消費支出力」が激減しているワケ


これだけ消費が萎縮していったのだから勤労者の所得も同程度、落ち込んだと思われるかもしれないが、国税庁の発表する平均給与の推移を見ると、リーマンショックの2009年こそ2000年(461.0万円)比で88%の405.9万円まで落ちたものの、2018年には95.6%の440.7万円まで戻している。


その後は2019年が436.4万円、2020年が431.2万円と再び93.5%までずり落ちているが、家計消費支出の87.6%とは乖離がある。


国税庁は租税(消費課税も含む)と社会保障の負担率(合わせて「国民負担率」)も開示しているが、2000年は租税が22.9%、社会保障が13.1%、合計36.0%だったのが、少子高齢化で年々負担率が上がり、2020年は租税が26.5%、社会保障が18.1%、合計44.6%と8.6ポイントも負担率が上昇している。その分、手取り(消費支出力)が減少するわけで、給与水準の落ち込みと家計消費支出の落ち込みの乖離8.0ポイントとほぼ一致する。


毎年の平均給与から「国民負担率」分を差し引いた「実質消費支出力」を計算すると、2000年の295.0万円がリーマンショックの2009年には254.9万円に落ち込み、8%に増税した2014年には240.3万円とさらに落ち込み、10%に増税後の2020年では238.9万円と00年の81%まで落ち込んだ。


これではコロナが無くても消費が冷え込むのは必定で、コロナが輪をかけたということだ。


・消費税が日本を貧しくした


家計消費の支出は消費税負担も含んでいるから、消費税が5%だった2013年までに比べると8%に上がった2014年以降は3%分、消費支出が削がれた。


2019年10月にはさらに2%上がって10%になったから、2020年は2000年に比べると5%分、消費支出が削がれた。消費税は「国民負担率」の「租税」に含まれているとは言え、所得だけでなく貯蓄からの支出にも課税されるから負担感が大きく、貯金を取り崩して生活する年金暮らしの老人世帯などストレートなダメージを受ける。


財政赤字まで加えた「国民負担率」(将来の負担率に直結する!)は2020年には49.9%まで上昇しており、コロナ禍を引きずりオリンピックの清算も強いられる2021年はさらなる上昇が不可避だから、国民としては消費を抑えて貯蓄し将来の目減りに備えざるを得ない。


財政赤字の肥大を見れば将来は15%、20%への増税も避けられないという不安は否めず、消費税が増税される度に消費性向が落ちる(貯蓄率が上がる)という傾向が顕著だ。


2014年に75.3%だった消費性向(家計調査の二人以上勤労者世帯)が2014年4月の8%への増税で2015年は73.8%、2016年は72.2%に落ち、10月に10%に増税された2019年は67.9%まで落ち、2020年はコロナ禍も加わって61.3%という記録的低水準まで急落している。


『誰が日本を貧しくしたか』、それは消費税、とりわけ2014年と2019年の増税だったことは明らかだ。

GoTo何とかとか休業補償とか無闇にばら撒くより、消費税を5%に戻すか全廃すればコロナの収束とともに消費は急回復し、経済は放っておいても回り出す。


自民党政権は経済優先というイメージが強いが、辻褄が全く合っていない。

政策を抜本転換させるか政権交代させないと、このままでは日本は貧困の海に沈没してしまう。


・経済優先政権下で「先進国の落ちこぼれ」に…


経済優先の自民党政権が長く続く間も日本経済は停滞し続け、今や『先進国の落ちこぼれ』と言われるほど凋落してしまった。


GDPは2000年までは米国に次ぐ世界第2位だったのに中国に抜かれて3位に落ち、今や(2019年)米国の4分の一にも届かず、中国の3分の一ほどでしかない。


日本生産性本部によると、2019年の日本の時間あたり労働生産性は47.9ドルで米国(77.0ドル)の62.2%でしかなく、OECD加盟37ヶ国中、1980年には19位、1990年には20位だったのが2019年には21位まで落ちた。一人当たり生産性も81,183ドルと米国(136,051ドル)の59.7%でしかなく、1990年には15位だったのが2000年には21位、2019年には26位まで落ちた。


一人当たりGDPも日本は43,279ドルと米国(65,143ドル)の66.4%でしかなく、1996年には6位、先進7ヶ国で米国に次ぐ2位まで昇ったのに2019年は21位まで落ち、OECD加盟国平均(46,691ドル)の92.7%に甘んじている。


全労連によれば、1997年を基準とした賃金指数も16年段階でスウェーデンは138.4、オーストラリアは131.8、フランスは126.4、イギリスは125.3、ドイツは116.3、米国も115.3に伸びたのに日本だけ89.7と賃下げで、97年にはOECD加盟国中11位だったのが15年には17位、OECD平均水準の86.7%まで落ちている。

 

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日本人は知らない…日本人がどんどん「貧しく」なっている「本当の理由」
東京五輪でますます貧しくなってしまう
週刊現代講談社)2021.2.20
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/80299?imp=0

 

 

 

 


■日本人は「失われた30年」の本質をわかってない~原因と責任を突き止め変えねば低迷はまだ続く~

東洋経済オンライン 2020/01/26

https://toyokeizai.net/articles/-/325346

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今から30年前、1990年の東京証券取引所は1月4日の「大発会」からいきなり200円を超える下げを記録した。

1989年12月29日の「大納会」でつけた史上最高値の3万8915円87銭から、一転して下げ始めた株式市場は、その後30年が経過した今も史上最高値を約4割ほど下回ったまま。

長期的な視点に立てば、日本の株式市場は低迷を続けている。

その間、アメリカの代表的な株価指数である「S&P 500」は、過去30年で約800%上昇。

353.40(1989年末)から3230.78(2019年末)へと、この30年間でざっと9.14倍に上昇した。

かたや日本は1989年の最高値を30年間も超えることができずに推移している。

この違いはいったいどこにあるのか……。

そしてその責任はどこにあるのか……。

アメリカの経済紙であるウォールストリートジャーナルは、1月3日付の電子版で「日本の『失われた数十年』から学ぶ教訓」と題して、日本が構造改革を行わなかった結果だと指摘した。


・日本は失われた40年を歩むことになるのか


この30年、確かに株価は上がらなかったが、極端に貧しくなったという実感も少ない。

政治は一時的に政権を明け渡したものの、バブル崩壊の原因を作った自民党がいまだに日本の政治を牛耳っており、日本のあらゆる価値観やシステムの中に深く入り込んでいる。

バブルが崩壊した原因やその責任を問われぬまま、失われた30年が過ぎてきた。

自民党政権がやってきたことを簡単に総括すると、景気が落ち込んだときには財政出動によって意図的に景気を引き上げてリスクを回避し、その反面で膨らむ一方の財政赤字を埋めるために消費税率を引き上げ、再び景気を悪化させる……。

そんな政治の繰り返しだったと言っていい。

2012年からスタートしたアベノミクスでは、財政出動の代わりに中央銀行である日本銀行を使って、異次元の量的緩和という名目で、実際は「財政ファイナンス中央銀行が政府発行の国債を直接買い上げる政策)」と同じような政策を展開してきた。

政府に逆らえない中央銀行総裁が登場したのも、日本経済の「失われた20年、30年」と無縁ではないだろう。

実際に、近年の日本の国際競争力の低下は目に余るものがある。

生産能力は低下する一方であり、加えて少子高齢化が顕著になってきている。

新しい価値観をなかなか受け入れない国民や企業が蔓延し、失われた30年が過ぎたいま、日本はこれから失われた40年、あるいは失われた50年を歩き始めているのかもしれない。

このままでは2030年代には、日本は恒常的なマイナス成長国家となり、経常赤字が続き、やがては先進国から陥落する日が来るのかもしれない……。

そんな予測をする専門家も多い。日本の失われた30年を、もう1度検証し振り返ってみたい。


・この30年、何が変化したのか?


この30年で日本はどんな変化を遂げたのだろうか。

まずは、主要な統計上の数字の面でチェックしてみたい。

●平均株価(日経平均株価)……3万8915円87銭(1989年12月29日終値)⇒2万3656円62銭(2019年12月30日終値

●株式時価総額……590兆円(1989年年末、東証1部)⇒648兆円(2019年年末、同)

ドル円相場……1ドル=143.4円(1989年12月末、東京インターバンク相場)⇒109.15円(2019年12月末)

●名目GDP……421兆円(1989年)⇒557兆円(2019年)

●1人当たりの名目GDP……342万円(1989年)⇒441万円(2019年)

●人口……1億2325万人(1989年、10月現在)⇒1億2618万人(2019年、11月現在)

●政府債務……254兆円(1989年度、国と地方の長期債務)⇒1122兆円(2019年度末予算、同)

●政府債務の対GDP比……61.1%(1989年)⇒198%(2019年)

●企業の内部留保……163兆円(1989年、全企業現金・預金資産)→463兆円(2018年度)

これらの数字でわかることは、第1に株価の低迷がずっと続いていることだ。

1989年の大納会でつけた3万8915円という高すぎる株価は、解禁されたばかりの株式先物指数が一部の外国人投資家に使われた意図的な上昇相場であったという背景もあるが、30年間回復できない現実は日本経済に問題があるとしか言いようがない。

アメリカの株価がこの30年で9倍になったことを考えると、日本の株価は異常な状態と言っていいだろう。

ちなみに、この30年間でドイツの株価指数も1790.37(1989年末)から1万3249.01(2019年末)に上昇。

ざっと7.4倍になっている。

なお、株式市場の規模を示すときに使われる「時価総額」も、この30年で日本はわずかしか上昇していない。

株式の上昇による資産効果の恩恵を日本の個人はほとんど受けていないことになる。

個人が株式に投資して金融資産を大きく伸ばしたアメリカに比べると、日本は一向に個人の株式投資が進んでいない。

日本人の多くが豊かさを実感できない理由の1つと言っていいだろう。

実際に、この30年で海外投資家の日本株保有率は1990年度には5%弱だったのが、2018年度には30%に達している。

日本株の3割は外国人投資家が保有しているわけだ。

かつて日本の株式市場は3割以上が国内の個人投資家によって保有されていた。

バブル崩壊によって個人投資家株式投資から離れ、その後の個人の資産形成に大きな影を落としたと言っていい。

現在では、過去最低レベルの17%程度にとどまっている。

ちなみに、アベノミクスが始まって以来、政府は「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」などの「五頭のクジラ」と呼ばれる公的資金を使って、意図的に株価を下支えしていると言っていい。

日銀も「ETF(上場投資信託)」を買い続けている。

これでは株価は適正な価格形成を行えず、個人投資家の多くは割高な価格で株をつかまされている状態だろう。

株価が暴落したときに、個人が株式市場に参入する機会を失ってしまっているわけだ。

株式市場というのは、あくまでも市場の価格形成に任せるのが望ましく、株価が大きく下がれば個人投資家株式投資を始める可能性が高い。

せっかくの投資機会を、政府が意図的に邪魔している状態が続いてきたとも言えるのだ。

マクロ経済的に見ると、日本の名目GDPは1989年度には421兆円だったのが、30年を経た現在では557兆円になっている(米ドル建てで計算。1989年はIMF、2018年は内閣府推計)。

一見すると国内総生産は順調に伸びてきたかのように見えるが、世界経済に占める日本経済のウェートを見ると、その凋落ぶりがよく見て取れる。


●1989年……15.3%

●2018年……5.9%


アメリカのウェートが1989年の28.3%(IMF調べ)から2018年の23.3%(同)へとやや低下したのに比べると、日本の落ち込みは大きい。

その代わり中国のウェートは2.3%(同)から16.1%(同)へと急上昇している。


新興国や途上国全体のウェートも18.3%から40.1%へと拡大している。

日本の国力の低下は、明らかだ。

 

・グローバル企業が示す日本の衰退


日本の「失われた30年」を的確に示している指標には、日本全体の「国際競争力」や日本企業の「収益力ランキング」がある。

例えば、スイスのビジネススール「IMD」が毎年発表している「国際競争力ランキング」では、1989年から4年間、アメリカを抜いて日本が第1位となっていた。


それが2002年には30位に後退し、2019年版でも30位と変わっていない。

一方、アメリカのビジネス誌『フォーチュン』が毎年発表している「フォーチュン・グローバル500」は、グローバル企業の収益ランキング・ベスト500を示したものだ。


1989年、日本企業は111社もランキング入りしていたが2019年版では52社に減少している。

日本の科学技術力も、この30年で大きく衰退してしまった。


日本の研究者が発表した論文がどれだけほかの論文に引用されているのかを示す「TOP10%補正論文数」というデータでも、1989年前後には世界第3位だったのだが、2015年にはすでに第9位へと落ちてしまっている。


このほかにも、ここ30年で順位を落としてしまった国際ランキングは数知れない。

ほとんどの部分で日本以外の先進国や中国に代表される新興国に抜かれてしまっている。


日本は今や先進国とは名ばかりの状態なのかもしれない。

残念なことに、日本のメディアは日本の技術がすばらしいとか治安が優れているなど、数少ない日本の長所をことさらにクローズアップして、日本が世界をリードしているような錯覚を毎日のように国民に与え続けている。


1989年には、日本にやってくる外国人観光客は非常に少なかった。

訪日外国人客は283万人(1989年)、それがいまや3119万人(2018年)に膨れ上がった。当時、外国人にとって日本の物価は非常に高く、一部のお金持ちを除くとなかなか日本に来ることができなかった。


現在は中国に限らず、世界の数多くの観光客が日本は格安だとして訪れている。

実際に、日本はこの30年間ほどんど物価が上がらず、アベノミクスで掲げた年2%のインフレ率さえ達成できない。


国民生活にとっては、それが悪いわけではないが、日本の国力は明らかに低下していると考える必要があるだろう。

 

・責任はどこにあるのか?


日本が失われた30年を始めたきっかけは、言うまでもなく株価の大暴落だが、追い打ちをかけるように当時の大蔵省(現財務省)が、高騰を続ける不動産価格を抑制しようと「総量規制」を実施したことにある。


株価にブレーキがかかっているのに、土地価格にまでブレーキをかけたことが原因であり、そういう意味ではバブル崩壊は政府の責任だ。

アメリカがリーマンショックを経験したような出来事を、日本はその20年も前に味わっていたわけだが、そこでの対応の違いがアメリカと日本の差を決定的にしたと言っていい。


日本は、株価暴落や土地価格の暴落などによって実質的に経営破綻に追い込まれた金融機関や企業の破綻を先延ばしし、最終的に7年以上もの時間をかけてしまったからだ。

リスクを先送りにすることで、自民党を軸とした政治体制を守り、政権と一蓮托生になっていた官僚機構も、意図的に破綻処理や構造改革のスピードを遅らせた。


その間、政府は一貫して公的資金の出動による景気対策や公共事業の増加などで対応してきた。

財政赤字がまだ400兆円のレベルだった頃に、当時の大蔵省主計局に取材したことがある。


担当者は「赤字国債の発行を辞めることは、官僚機構がみずから国を荒廃に追いやることになる」と発言したのをいまでも思い出す。

赤字国債なしでは、日本は立ち行かなくなっていることを認めているわけだ。


この30年、日本は企業救済のための資金は惜しまずに支出してきた。

アメリカのように、税金を民間企業に支出することに強硬に反対する共和党のような勢力が、日本にはないからだ。


公的資金の支出が景気の回復に効果がないとわかると、今度は郵政民営化といった規制緩和を始める。

しかし、これもさまざまな勢力に忖度するあまり、中途半端な形で進行し、結果的に景気回復の切り札にはならなかった。


最終的に、現在進行形のアベノミクスにたどり着くわけだが、スタートして今年で8年になろうとしているにもかかわらず、その効果は見当たらない。

ひょっとしたら、一時的に消費者物価が2%を突破するかもしれないが、一時的なものに終わる可能性が高い。


その間、政府の債務はどんどん膨らんで、政府は何度も消費税率アップに動く以外に方法はなくなっていく。

1989年4月に消費税を導入して以降、この30年で政府は3回の「消費税率引上げ」を実施しているが、いずれも2%、3%という具合に、ほんの少しずつ引き上げることで決定的なパニックに陥るリスクを避けてきた。


一方のアメリカは、リーマンショック時にバーナンキFRB議長は大胆に、そしてスピード感を持って解決策を打ち出した。

責任を回避せずに、リスクに立ち向かう姿勢がアメリカにはあったと言っていい。


日本はつねにリスクを回避し、事なかれ主義に徹し、改革のスピードや規模が小さくなってしまう。

その結果、決断したわりに小さな成果しか上げられない。


簡単に言えば、この30年の失われた期間は現在の政府に責任があることは間違いない。

それでも国民は、バブル崩壊の原因を作った政権にいまも肩入れしてきた。


その背景には補助金行政など、政府に頼りすぎる企業や国民の姿がある。

実際に、この30年間の統計の中でもあったように政府債務は250兆円から約4倍以上の1100兆円に増えている。


自民党政権がいまも続いているのは、ただ単に「低い投票率」に支えられているだけ、という見方もあるが、30年の間に、国民の間に「諦め」の境地が育ってしまったのも事実だろう。

長期にわたってデフレが続いたため、政府は経済成長できない=税収が増えない分を長期債務という形で補い続けてきたわけだ。


収入が減ったのに生活水準を変えずに、借金で賄ってきたのが現在の政府の姿と言っていい。

 

・日本はなぜ構造改革できないのか?


全国平均の公示地価を見ると、1976年を「0」とした場合、1992年まではプラス圏だったが、その後バブルが崩壊して住宅地、商業地ともに公示価格はひたすらマイナスを続けて、2015年にやっと「前年比プラス」に転じる状況にある。


30年前の土地価格に戻るには、悪性インフレぐらいしか考えられない状況だ。

要するに、30年近い歳月、日本国民は土地価格の下落を余儀なくされたわけだ。


株価や土地価格が上昇できなかった背景をどう捉えればいいのか。

簡単に言えば、少なくとも日本政府は構造改革につながるような大胆な改革を行ってこなかった。


都市部の容積率を抜本的に見直すといった構造改革を怠り、消費税の導入や、税率アップのような構造改革ではない政策でさえも、選挙に負けるというトラウマがあり、一線を超えずにやってきた、という一面がある。


もっとも、構造改革をスローガンに何度か大きな改革を実施したことはある。

例えば、企業の決算に「時価会計」を導入したときは、本来だったら構造改革につながるはずだった。


これは、日本政府が導入したというよりも、国際的に時価会計導入のスケジュールが決まり、それに合わせただけのことだが、本来であれば株式の持ち合いが解消され、ゾンビ企業は一掃されるはずだった。

ところが政府は、景気が悪化するとすぐに補助金助成金といった救済策を導入して、本来なら市場から退散しなければならない企業を数多く生き残らせてしまった。


潰すべき企業を早期に潰してしまえば、その資本や労働力はまた別のところに向かって、新しい産業を構築することができる。

負の結果を恐れるあまり、政府はつねにリスクを先送りしてきた。


バブル崩壊後も、株式市場は長い間、「PKO(Price Keeping Oparation)相場」と言われて、政府によって株価が維持されてきた。世界の平均株価と大きく乖離した時期があった。

 

・官民そろってガラパゴスに陥った30年


そして今大きな問題になっているのが、デジタル革命、 IT革命といった「イノベーション」の世界の趨勢に日本企業がどんどん遅れ始めていることだ。


この背景には、企業さえも構造改革に対して消極的であり、積極的な研究開発に打って出ることができなかったという現実がある。

欧米のような「リスクマネー」の概念が決定的に不足している。


リスクを取って、新しい分野の技術革新に資金を提供する企業や投資家が圧倒的に少ない。

日本はある分野では、極めて高度な技術を持っているのだが、マーケティング力が弱く、それを市場で活かしきれない。


過去、日本企業はVHSやDVD、スマホの開発といった技術革新では世界のトップを走ってきた。

しかし、実際のビジネスとなると負けてしまう。


技術で優っても、ビジネス化できなければただの下請け産業になってしまう。

もっとわかりやすく言えば、日本特有の世界を作り上げて、そこから脱却できない「ガラパゴス化」という欠点に悩まされてきた。


日本特有の技術に固執するあまり、使う側のポジションに立てないと言ってもいい。

日本が製造業に固執しながら、最先端の技術開発に終始している間に、世界は「GAFA」(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)に支配されていた。


あまりにも残念な結果といえる。

この30年、日本企業はさまざまなガラパゴスを作ってきた。


そして、そのガラパゴスの背景には、必ずと言っていいほど政府の歪んだ補助行政や通達、 規制といったものが存在している。

業種にもよるが、日本企業の多くは消費者ではなく、規制当局や研究開発費を補助してくれるお上(政府)の方向を向いてビジネスしている姿勢をよく見かける。


政府が出してくれるお金を手放せないからだ。

とはいえ、失われた40年を歩き始めたかもしれない日本にとって、今後は失われただけでは済まないだろう。


日銀には一刻も早く、金融行政を適正な姿に戻し、株式市場も適正な株価形成のシステムに戻すことが求められている。

自民党が避けてきた「最低賃金の大幅上昇」や「積極的な円高政策」といった、これまでとは真逆の政策に踏み切るときが来ているのかもしれない。


そして、政府は財政赤字解消に国会議員の数を減らすなど、目に見える形で身を切る改革をしなければ、今度は「崩壊する10年」になる可能性が高い。

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日本人は「失われた30年」の本質をわかってない~原因と責任を突き止め変えねば低迷はまだ続く~
東洋経済オンライン 2020/01/26
https://toyokeizai.net/articles/-/325346

 

 

 

 

 

安倍晋三~日本史上、最も長く国民の消費を減らし続けた総理大臣=三橋貴明

MONEY VOICE 2017年6月1日

https://www.mag2.com/p/money/236319


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・20カ月連続で消費減少、歴史に名を残した安倍総理


総務省が30日発表した4月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は1世帯あたり29万5929円で、物価変動を除いた実質で前年同月比1.4%減少した。

14カ月連続で減少した。

QUICKがまとめた市場予想の中央値は1.0%減だった。

季節調整して前月と比べると0.5%増加した。

勤労者(サラリーマン)世帯の1世帯あたりの消費支出は32万9949円となり、実質で前年同月比2.9%減少した。2カ月ぶりに減少した。』

出典:4月の実質消費支出、前年比1.4%減 市場予想1.0%減 ? 日本経済新聞(2017年5月30日配信)

 

これで、うるう年効果を除くと、20カ月(!)連続で日本国民は実質の消費を対前年比で減らしたことになります。

もちろん、統計的に確認できる期間では、史上最長です。

安倍総理は、日本史上、最も長く国民の消費を減らし続けた総理大臣である可能性が極めて濃厚なのです。

おめでとうございます、総理! 歴史に名を残しましたね!未来永劫、語り継ぎたいと思います。

2013年4月の消費を100とすると、2017年4月は何と92.4!

分かりやすく書くと、「2013年4月、国民はパンを100個買えていた。今は、92個しか買えない」という話になります。

恐るべき「貧困化」としか、呼びようがありません。

 

・「国民の貧困化」を問題にしない政治家とマスコミ


それに輪をかけて恐るべきは、この「国民の貧困化」を政治家やマスコミが問題視しないことです。

何というか、北朝鮮のミサイルと同じく、「政治」は貧困化に慣れてしまっていませんか?


もっとも、状況は好転しつつあります。

瀧本様との動画で解説した通り、生産年齢人口比率の低下により、人手不足が深刻化。


企業は「サービス量を減らす」形で値上げを始めています。

この状況が進めば、やがては「値上げ」から「生産性向上による実質賃金の上昇」につながるはずです。


そして、実質賃金上昇が安定的に3年ほど続けば、ようやく実質消費が拡大を始め、デフレ脱却となります。

そして、この「少子高齢化」が与えてくれたデフレ脱却の絶好の機会を潰すのが、PB黒字化目標、消費税増税といった安倍政権の緊縮財政なのです。


20カ月連続で実質消費を減らした内閣が、さらなる緊縮財政路線を進もうとしている。

国家とは、情報の間違いにより亡国に至るということが、如実に理解できます。


安倍政権が国民のさらなる貧困化を望まないならば、PB黒字化目標を破棄し、緊縮財政路線と決別しなければならないのです。


~~~
安倍晋三~日本史上、最も長く国民の消費を減らし続けた総理大臣=三橋貴明
MONEY VOICE 2017年6月1日
https://www.mag2.com/p/money/236319

 

 

 

 

 


■このトリックを見破れるか?安倍政権の日本貧困化計画【三橋貴明

YouTube 2020/05/25

https://www.youtube.com/watch?v=jkslVIatZN8

 

 

 

 

■コロナ禍の今こそ、国民全員に毎月10万・年間120万円の現金給付を行え!

ハーバー・ビジネス・オンライン 2021.01.18

https://hbol.jp/pc/236695/

 

 

 


■欧米各国はコロナ禍で手厚い給付金 10万円+マスク2枚だけとは歴然の差

長周新聞  2021年6月8日

https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/21124

 

 

 

 

■米国経済、早くもコロナ脱出で好景気真っただ中…政府、日本と真逆の大胆&迅速な対応

 

Business Journal  2021.05.13

https://biz-journal.jp/2021/05/post_225585.html

 

 

 

■【みんなに毎月10万円を配り続けたら国は破綻するか?】れいわ新選組代表 山本太郎

https://youtu.be/xiM6JLBlk5I @YouTubeより