■赤字でもないパナソニックが、事業リストラに走る真相
Newspicks 2020/2/20
https://newspicks.com/news/4643255/body/
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パナソニックが、事業の撤退や売却を続々と打ち出している。
まず、液晶パネルの生産を止め、半導体事業の売却を決めた上に、太陽電池事業は中国企業に資産の大半を売却した。
成長のけん引役だったはずの車載電池事業ですら、その一部をトヨタ自動車の傘下に移す。
こうした経営判断は、かつての経営危機時代を彷彿させる。
パナソニックといえば、プラズマテレビや液晶テレビなどの投資戦略で失敗し、2012年3月期と2013年3月期に合計約1.5兆円の最終赤字をたたき出した。
そして、プラズマテレビなどのデジタル家電事業を撤退・縮小するなどして、経営再建を進めてきた。
その後は業績が回復し、2019年3月期までは2期連続で増収増益だ。
この2020年3月期は米中貿易摩擦の影響もあって減収減益になる見込みだが、赤字に転落したわけではない。
にもかかわらず、事業リストラにまい進するパナソニックは今、経営危機にあるのか。
そこで今回、現在の会計基準による「利益」では見えない、本当の稼ぎの実態をあぶり出し、パナソニック経営の「ヤバさ」の本質に迫る。
・増収増益なのに「猛省」
「売り上げは伸びたが、事業から創出される利益が下回ってしまった」
遡ること2019年5月。
パナソニックが開いた経営方針説明会は、津賀一宏社長にとって「猛省」を表明する場だった。
これまでの経営戦略がうまくいっていないと認めた格好だ。
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赤字でもないパナソニックが、事業リストラに走る真相
Newspicks 2020/2/20
https://newspicks.com/news/4643255/body/
週刊エコノミスト 2021年11月22日
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20211130/se1/00m/020/048000c
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精密機械大手のオリンパス(竹内康雄社長=写真)が祖業の顕微鏡などの科学事業の売却を示唆し、市場の話題を呼んでいる。
2011年11月に巨額粉飾決算が発覚した同社は、その後も映像事業の中国深?工場における贈賄疑惑、米国での十二指腸内視鏡の超耐性菌感染問題など、不祥事が続いたが、19年にアクティビスト(物言う株主)ファンドといわれる米バリューアクト・キャピタルから社外取締役2人を受け入れ、経営改革を進めた。
その結果、スマートフォンの普及で赤字が続いたカメラ事業を今年1月に売却、2月には希望退職で844人を削減するなどリストラを断行した。
科学事業の分社化自体は6月に発表していたが、11月5日の発表は「事業譲渡等を含むあらゆる選択肢」にまで踏み込んだ内容だ。
主力の内視鏡事業への経営資源集中による、経営効率の一段の向上を期待し、発表の翌営業日の8日に株価は6%上昇した。
ただ、これでバリューアクトの手綱が緩まると見る関係者は少ない。
海外にはジョンソン・エンド・ジョンソンなど時価総額40兆円を超える医療機器会社もある。
それと比べるとオリンパスの時価総額約3兆円はまだ小さいからだ。
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オリンパスが祖業売却へ “物言う株主”の破壊力
週刊エコノミスト 2021年11月22日
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20211130/se1/00m/020/048000c
■電通の英国企業買収に3つの疑問:日本企業の海外M&Aの陥穽
法と経済のジャーナル(朝日新聞)2012/09/25
https://judiciary.asahi.com/fukabori/2012092000008.html
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電通が英国の広告代理店イージスを約4千億円で買収するという。
残念ながら、この事例は、ここ数年間の日本企業の海外M&A(企業の合併や買収)に共通する悪いパターンにぴたりと当てはまる。
日本企業と海外企業を合体させただけでは、グローバルな大手ライバルと対等には競争できない、というのが第一点。
第二点として、日本企業側の海外企業に対する経営能力と、両社の組み合わせのシナジー効果が疑わしい。
そして、最後の第三点は、買収価格が高すぎるという問題だ。
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■電通の英国企業買収に3つの疑問:日本企業の海外M&Aの陥穽
法と経済のジャーナル(朝日新聞)2012/09/25
https://judiciary.asahi.com/fukabori/2012092000008.html
法と経済のジャーナル(朝日新聞)2018/04/03
https://judiciary.asahi.com/fukabori/2018040300002.html
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かつての名門会社である米ゼロックス社の経営陣は、大株主であるアイカーンや他のヘッジファンド株主たちから圧力を受けて、死に体の複写機市場でもがき苦しむ現状から「なんとかして」価値を創造するために、ゼロックスのぎりぎり過半数(50.1%)の経営権を買ってほしいと富士フイルムに泣きついてようやく合意にこぎつけた。
ただし、残りの株式49.9%は、アイカーンやヘッジファンド等の一般株主の手中に残ったままだ。
これに対してアイカーンは、富士フイルムが提示した購入代金の金額について「足りない」と文句を言い、大いに騒ぎ立てて買収の妨害を企てている。アイカーンがゼロックス株式の表向きの価格の吊り上げに成功するか否かは、やがてわかる。
だが実は、富士フイルムにゼロックスの50.1%を買わせることは、二部構成の舞台の第一幕に過ぎない。
アイカーンにとっては第二幕こそがクライマックスである。
第二幕では、「少数株主の権利」について訴訟あり、もっともらしい発言ありと、いろいろあるだろう。
そして、残りの49.9%についていっそうの高い値を引き出そうとしてくるにちがいない。
とかく優れた罠は、何の疑いも持たない獲物からは無害に見える。
古森会長のように日本国内の規範に慣れている日本企業の重役たちの目には、第一幕のあとのゼロックスの株主構造――すなわち上場企業(ゼロックス)が別の上場企業(富士フイルム)により管理される一方で、少数派として一般の株主(アイカーンら)がいるという構図――に何の怪しさも感じないだろう。
日本の上場企業(全3,000社)のうち、約300社がまさにこの所有構造をとっていて、一般的に「親子上場」と呼ばれている。
親子上場は、日本の財閥、グループ系列、その他安定株主を擁しての「戦略的」な株式持合いといった同様の会社所有構造の一つの変形パターンにほかならない。
しかし、アメリカではそうではない。
アメリカには親子上場などほとんど存在しない。
日本ではよく見受けられる、そうした構造が「子」の少数株主と「親」との間にきわめて厄介で、法的にも違法となり得る利益相反を生み、賢明なコーポレートガバナンスの原則に反するとアメリカで考えられていることが、アメリカに親子上場がほとんどない主な理由である。
そのことを日本企業の重役らは知らない可能性がある。
アイカーンは、富士フイルムとゼロックスの交渉が発表されて以来何通かの書簡を出しているが、その中ですでに第二幕を予告している。
買収後は「兄」となった富士フイルムがゼロックスの50.1%を握る支配株主としての地位を悪用して大邸宅に住みロールスロイスを乗りまわすかたわら、弟は掘っ立て小屋に住んで古くて壊れそうなハッチバックに乗るという、おどろおどろしい絵を描いている。
第二幕においてアイカーンは、日本の「兄」が支配株主の権限を悪用してゼロックスの資産とテクノロジーを搾り取ってアメリカの「弟」に不利益をもたらしているとして富士フイルムを訴えようと、すでに頭の中で訴状の下書きを進め、陪審員に向けての最終弁論の練習までしているのではないか。
さらに皮肉なことに、富士フイルムがこの買収スキームを正当化する理由として、さまざまなコスト削減と富士フイルムとゼロックス両社の価値を高める「シナジー」につながると主張しているのに対し、アイカーンは、富士フイルムがゼロックスの資産、テクノロジー、顧客および社員を盗もうとしているとか、ゼロックスを過小評価しているなどと主張して、たえず訴訟をちらつかせている。
このような状況下ではとうてい富士フイルムがえがく「シナジー」が実現できるはずもない。
一つ一つの取引について「公正」か、「アームズレングス」な条件で行われるかといったことを証明しなければならないだろう。
そんな心配をすることなく、両社が一つの会社のように共に考えて行動しないかぎりシナジーは生まれない。
ゼロックスの親子上場の株主構造では、この取引の売り文句であるシナジーを実現できなくなる。
アイカーンの考えているであろうフィナーレは、第二幕で少数株主の権利を声高に主張して、富士フイルムにゼロックスの残りの株式をさらに高値で買わせようとすることだ。
そうと知りつつ、私は古森会長に次のように尋ねたい。
「ゼロックスが素晴らしい会社だとおっしゃるならば、いっそ丸ごと買ってはいかがですか?」。
これに対して本音──ゼロックスがもしかしたらそこまですごい会社でないかもしれない、そのリスクは少数株主にも共有してもらいたい──で古森会長が答えようものなら、まさにアイカーンの思う壺というわけだ。
富士フイルムがゼロックスのぎりぎり過半数を取得する計画には、日本企業による海外M&Aについてしばしば論じられる懸念もはらんでいる。
すなわち、価格が高すぎること、そして日本企業側に買収した外国の会社を経営する能力が足りないことである。
その上、富士フイルムが馴染みのない外国の法的環境の中で「親子上場」の株主構造に隠された落とし穴を読み違えはしないかという点はそれら毎度の心配を増幅する。
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■富士フイルムの米ゼロックス買収に仕掛けられた罠
~カール・アイカーンが富士フイルムに対して仕掛けた罠~
法と経済のジャーナル(朝日新聞)2018/04/03
https://judiciary.asahi.com/fukabori/2018040300002.html
■日産自動車がついに「日本の会社」でなくなる! ゴーン氏と仏政府が完全子会社化に
exciteニュース 2018年4月19日 週刊ダイヤモンド
https://www.excite.co.jp/news/article/Diamond_167837/
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日産自動車(7201)が、ついにフランスに奪われてしまいます。
刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』では数年間に渡って「日産自動車をルノーから取り戻そう」と事ある毎に記事にしてきましたが、もうその可能性も潰えました。
近い将来、日産自動車は完全にルノーの一部となって、東証ではなくパリ証券取引所で取引されることになるはずです。
どうしてこうなってしまったのか――闇株新聞の解説です。
・販売台数も時価総額も日産自動車が上なのに 技術も資産もフランスに奪われる無念
仏ルノーと日産自動車の会長を兼務するカルロス・ゴーン氏は4月16日、日本経済新聞とのインタビューで、両社の資本関係を見直す考えを示しました。
現在のゴーン氏は仏ルノーのCEOに専念しています。
つい先日その任期が2022年まで延長されましたが、筆頭株主(15%)であるフランス政府には、ゴーン氏更迭の意見もかなりあったようです。
日産自動車の方はCEOの座を西川廣人氏に譲り、代表取締役会長となっています。
西川氏を始めとする日本人経営陣は、ゴーン氏やルノー本社の意向を最大限に忖度して出世してきた人たちです。
資本関係を見ますと、ルノーは日産自動車の株式43.6%を保有しています。
一方、日産自動車もルノーの株主を15%(フランス政府と同じ)保有する筆頭株主ですが、ルノーの連結小会社であるため議決権はありません。
ちなみにルノーが日産自動車株取得に費やした資金は総額で約8000億円ですが、日産自動車に保有させている15%の株式分とこれまでに得た現金配当で、すっかり回収済みです。
また、度重なる不正で経営危機に陥った三菱自動車も2016年5月、日産自動車が2373億円の第三者割当増資を引き受けて34%の株式を取得しており、間接的なルノー傘下です(三菱自動車の代表取締役会長はゴーン氏)。
2017年通年の世界販売台数では、日産自動車と三菱自動車を加えた「ルノー連合」が1060万台と世界第2位に浮上し、トヨタ自動車の1038万台を抜きました(1位はフォルクスワーゲンの1074万台)。
ルノーと日産自動車の資本関係は「ルノーが親、日産が子」の関係ですが、販売台数では日産自動車が581万台に対しルノーが376万台、株式時価総額も日産自動車が4兆7630億円なのに対しルノーが2826億ユーロ(3兆7388億円)など、完全に「親子逆転」となっています。
・マクロン大統領とゴーン氏によって 着々と進められてきた日産強奪計画
さてここからが本題ですが、ルノーの筆頭株主であるフランス政府は、かねてよりルノーと日産自動車(自動的に三菱自動車もついてきます)の経営統合を求めており、実際には合併させてすべてフランスの会社にしようと考えています。
その急先鋒がマクロン現大統領で、2015年にはオランド政権の経済・産業・デジタル大臣として「2年以上保有する株主の議決権を2倍に」する『フロランジュ法』を強引に承認させました。
この時は「まだ」日産自動車CEOも兼任していたゴーン氏が、一応は日産自動車の少数株主の利益も代弁する立場でもあったため経営統合に反対し、日産自動車がルノーと合併して日本の会社ではなくなる事態はかろうじて回避できました。
ところが現在は、そのマクロン氏が仏大統領に大出世し、ゴーン氏はルノーの(あるいはフランス政府の)利益を最大限にするCEOの地位にあります。
日産自動車の西川CEOらはゴーン氏の意向を最大限に忖度しますから、日産自動車とルノーの経営統合(というより合併)にはもはや何の障害もありません。
フランス政府とすれば日産自動車をルノーと合併させて「フランスの会社」にしてしまう経済的メリットは大変に大きいはずです。
ルノーCEO更迭の予想が多かったゴーン氏が4年の任期延長を勝ち取った背景には、在任中にルノーと日産自動車を経営統合(実際には合併)させることが条件になっていると感じます。
・日経新聞報道は生ぬるい歴史ある日本の自動車会社が1つ消えるだろう
4月17日付の日本経済新聞には「ルノーと日産自動車が統合新会社を作り、両者を傘下に入れる案が浮上している」と書かれていますが、そんな生ぬるい経営統合をルノーもフランス政府も認めるはずがありません。
また同記事には「日産自動車が現在15%保有しているルノー株式を25%まで買い増せば、日本の会社法によりルノーが持つ日産自動車株の議決権が消滅する」とも書かれていますが、それはあくまでも日本の土俵で戦った場合です。
そもそも、西川CEO以下の日産自動車経営陣がゴーン氏やルノーと戦って、日産自動車がフランスのものになることに抵抗するはずがないのです。
かくして日本から(日本の株式市場からも)歴史ある自動車会社が1つ消えてしまうことになりました。
本誌がいつも書くように、安直に海外(ファンドでも会社でも)に売却すると、ロクなことにならないのです。
日産自動車がルノーの資本を受け入れたのは1999年、バブル崩壊以降の販売不振で倒産寸前の経営危機に陥った時でした。
ゴーン氏の手腕もあって復活しましたが、しかるべき時に手を打たなかったため食い尽くされる一方となり、ついにすべてを奪われることに…。
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日産自動車がついに「日本の会社」でなくなる! ゴーン氏と仏政府が完全子会社化に
exciteニュース 2018年4月19日 週刊ダイヤモンド
https://www.excite.co.jp/news/article/Diamond_167837/
日刊ゲンダイ(2017/08/04)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/210737
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・いつの間にか日本の上場企業は外資に乗っ取られていた!
7月下旬に東京商工リサーチが公表した「外国法人等株式保有比率調査」(2016年度決算、3062社対象)が市場で話題になっている。
16年度の外国人保有比率は11.41%で、調査を開始した10年度(8.08%)から6年連続の上昇となった。
「海外勢から見ると、ここ数年続いた円安で日本株は割安に映ったのでしょう。優良企業の多い東証1部に限れば、16年度の外国人保有比率は16.52%まで高まっています」(東京商工リサーチ情報本部の坂田芳博氏)
外国人比率のトップは日本オラクル(87.20%)で、2位はリーバイ・ストラウスジャパン(84.11%)だった。どちらも海外企業の日本法人だ。
・外国人の株保有比率50%超は35社
「台湾の鴻海が買収したシャープや、仏ルノーが出資する日産自動車は誰が見ても外資系企業です。ただソニーやオリックス、三井不動産、良品計画などは立派な日本企業なのに、外国人の持ち株比率が50%を超えています。見方を変えると、海外勢に乗っ取られた“実質外資系”です」(市場関係者)
外国人比率が50%を超す企業は35社あった(別表参照)。株式アナリストの黒岩泰氏が言う。
「海外勢のなかには本気で敵対的買収を仕掛けてくるファンドがあります。物言う株主として、法外な要求を突き付けてくるケースもあるでしょう」
数年前、米ファンドのサード・ポイントはソニーの実質大株主に躍り出て、「映画と音楽事業の分離」を迫った。セブン&アイHDのトップ人事にも口を挟んだ。
「アベノミクスは円安や官製相場によって株高をつくり出しましたが、その副作用で日本の優良企業は海外ハゲタカの餌食になっているのです」(証券アナリスト)
株式市場をコントロールしようとした安倍政権の責任は重大だ。
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■ソニーや三井不動産も実質外資 乗っ取られた日本企業35社
日刊ゲンダイ(2017/08/04)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/210737
■アクティビスト 日本襲来!
週刊ダイヤモンド(特集)
企業に経営改革を求めるモノ言う株主、アクティビストが株式市場で存在感を増している。
日本企業にどのようなインパクトをもたらそうとしているのか。
その素顔や狙い、手口などを明らかにする。