■富裕層がさらに裕福に  ~コロナで拡大する経済格差~ Forbes JAPAN:フォーブスジャパン(2020/09/05)


■富裕層がさらに裕福に 

~コロナで拡大する経済格差~

Forbes JAPAN:フォーブスジャパン(2020/09/05)

https://forbesjapan.com/articles/detail/36844


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グーグルやアップル、アマゾン、マイクロソフト、ズーム、フェイスブック、ネットフリックスなど一部の巨大ネット企業の事業は悪影響を受けなかった一方で、「必須ではない」とみなされた事業は営業停止や大幅な規模縮小を余儀なくされた。


その影響として、数千万人の米国人が失業手当を申請し、JCペニーやハーツ、ニーマン・マーカス、ピアワン、ブルックス・ブラザーズ、Jクルーなどの大企業が破産保護を申請した。

「勝ち組」企業の最高経営責任者(CEO)や役員、大株主がさらに大金を手にした一方、大半の家庭は経済難を乗り切るための3カ月分の蓄えすらない。


家賃や住宅ローンの支払いができず、立ち退きの危機に直面している人もいると報じられている。

失業中の数百万人の米国人が職探しする中で、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOの純資産は7月20日、130億ドル(約1兆3800億円)増加した。


ブルームバーグによると、これは個人純資産額の1日での増加幅として史上最高記録だ。

英紙ガーディアンによると、ジェフ・ベゾスビル・ゲイツマーク・ザッカーバーグ、ウォーレン・バゲット、ラリー・エリソンの富豪5人は、新型ウイルスが猛威を振るった3月18日から6月17日の間に、保有資産を合計1017億ドル(約10兆8000億円)増加させた。


テスラ共同創業者のイーロン・マスク保有資産額は今年3倍以上に膨れ上がり、その額は現在890億ドル(約9兆4600億円)余りだ。

英ロイター通信によると、マスクは7月、テスラ株の上昇を受け、史上最大の21億ドル(約2200億円)相当の報酬を手にする権利を得た。


これは5月以降2回目の巨額報酬だ。

富を得て億万長者になることは素晴らしいことであり、まさにアメリカ的な生き方だ。


米国は、ゼロから這い上がったり、他の国から移住してきたりして大きな成功を収められる数少ない国の一つだ。

ベゾスやマスク、グーグルやアップルの創業者といったテック業界の大物らは、消費者の利益になるサービスや商品を提供し、私たちの生活をより楽にしてくれている。


問題なのは資産そのものではない。

少人数が多大な富や権力、政治的コネ、支配権を握っている一方で、多くの人がギリギリのところで生活を送っていることだ。


米メディアのVICE(バイス)は、「パンデミックが始まってから収入格差は広がり続けている」と指摘。

シンクタンクの英財政研究所(IFS)の報告書を引用し、超富裕層が富をさらに増やす一方で、収入面での打撃は最貧層20%の家庭で最も大きく、世帯収入中央値が15%ほど低下したと伝えている。


これはなにも新しい現象ではない。

米CNNテレビは、2008年の経済危機からの回復時にも同じことが起きたと指摘。


大半の米国人はこの時の影響から完全に回復しておらず、資産が経済危機以前の水準に戻った世帯は上位20%のみだったと伝えている。

米国で最も裕福な400人は3年以内に資産が完全に回復し、10年間で資産を80%以上増やしたという。


今回のパンデミックにより、労働者の新たな最下層階級が誕生した。

アマゾンの在庫を補充したり、スーパーで働いたり、小包を届けたり、ウーバーを運転したり、介護施設で高齢者の介護をしたり、さまざまなギグエコノミーや低賃金の職を掛け持ちしたりといった職業に就く、見過ごされている人たちだ。


こうした“必要不可欠”な職業は、労働環境が悪く、健康面でのリスクが非常に大きい。

多くの場合、こうした仕事は成長の機会がなく、抜け出すことができない。


このままでは、米国は中世の封建的な国になってしまいかねない。

世の中を動かすエリートの支配層、そしてそれを支える一流の弁護士や会計士、管理者がいる一方、最下層には低賃金で自らの健康をリスクにさらしながら汚れ仕事を全て受け持つ労働者階級がいる社会だ。

 

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