■安倍首相が消費税増税後の事を語らない本当の理由
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020012700010.html
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安倍晋三首相は代表質問で、廃棄したとされている昨年の「桜を見る会」の招待客に関する調査を拒否。
汚職にまみれた統合型リゾート(IR)事業を、それでも推進する意向を示し、あるいは自衛隊を国会審議も経ずに、防衛省設置法の「所掌事務」にある「調査・研究」名目で中東に派遣したことを、武器の行使に該当する恐れはない」と、根拠も示さずに正当化した。
もはやすっかり見慣れた光景ではある。
安倍氏は開会初日の施政方針演説でも、「桜」をはじめ、IRの問題や、公職選挙法違反の疑いで相次ぎ辞任した閣僚らの任命責任に、まったく触れなかった。
沖縄の米軍普天間飛行場返還と辺野古新基地建設についてさえ、直接的には述べなかったのだから、なんとも異様だ。
「日本経済はこの7年間で13%成長し、来年度予算の税収は過去最高となりました」「公債発行は8年連続での減額であります」などと胸を張った。
ウソである。
過去最高云々は事前の、それも賞味期限切れの見通しだった。
すでに来年度の以前に今年度の補正予算案が下方修正され、税収も前年度割れが必定になっている。
増収傾向にあるのは確かでも、近年の税収は、税率の引き下げや租税特別措置の乱発で大幅に減少した法人税収を消費税の増収で賄う形で推移しており、来年度は後者が所得税を抜いて最大の税目となる見込みだ。
つまり、経済政策が成功した果実などではまったくない。
「日本全体が力を合わせて」「「国民一丸となって」の連発が、「一躍総活躍社会」の宣伝に繋げられていく展開からは、2020年大会招致の目的が「国民統合」と「国威発揚」でしかない実態を思い知らされるばかりだった。
要は、都合の悪いことは何もなかったことにする。
逆に、自らを強く、大きく見せるためなら平気でウソをつくのである。
ちなみに、8度目となった第2次安倍政権の施政方針演説で、普天間と辺野古が取り上げられなかったのは、今回が初めてだ。
過去最高となったのは、税収ではなく、“なかったことにする”手口だった。
・消費税増税後の景況感は軒並み低調
以上のような分析は、しかし、一部の新聞でもなされている。
本稿が指摘しておかなければならないのは、今回の施政方針演説が、昨年(2019年)10月の消費税率引き上げと、その後の経過を何も語らなかったことである。
問題点が山積し、国論が二分された中で強行された増税だった。
ならば、それでどうなったのかを報告するのは政治指導者の義務なのに、安倍首相はやはり“なかったことに”して恥じない。
それでも誰も怒らない日本国民・・・
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安倍首相が消費税増税後の事を語らない本当の理由
論座 2020年01月28日 斎藤貴男 ジャーナリスト
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