■ビル・ゲイツがコロナワクチンに巨額投資、製薬業界に巡らすカネと人脈
週刊ダイヤモンド(ダイヤモンドオンライン)2020.8.7
https://diamond.jp/articles/-/244553
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新型コロナウイルス感染症の治療薬とワクチンを世界が渇望する中、コロナワクチンの有望メーカーを支援するビル・ゲイツ氏と「ゲイツ財団」の存在感が増している。
特集『コロナが映す医療の闇』(全14回)では、財団がヘルスケア業界に張り巡らせたカネと人脈を独自分析した。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
・ビル・ゲイツ氏率いるゲイツ財団 コロナ対策に巨額を投じ「陰謀説」も
新型コロナウイルス感染症のパンデミックで世界がパニックに陥る中、ある民間の指導者が一躍時の人として注目を浴びている。
世界最大の慈善基金団体であるビル&メリンダ・ゲイツ財団(以下、ゲイツ財団)を通じて、コロナ対策に最大1億ドルもの巨額を拠出すると2月に発表、5月には日欧豪などの国際会議で資金支援を約束するなど、矢継ぎ早にコロナ対策を表明した。
巨額が動くのには何か裏があるのではないかと「陰謀説」も飛び出している。
結局のところ、ゲイツ氏とゲイツ財団はどんなところにカネを出し、どんな人が関わり、何をもくろんでいるのか。
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ビル・ゲイツがコロナワクチンに巨額投資、製薬業界に巡らすカネと人脈
週刊ダイヤモンド(ダイヤモンドオンライン)2020.8.7
編集部 土本匡孝:記者
https://diamond.jp/articles/-/244553
■<新型コロナ>「パンデミック」予言 ビル・ゲイツ氏 「全米一律で封鎖」提言
東京新聞(2020年4月7日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/26050
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新型コロナウイルスとの闘いで、米マイクロソフト創業者で慈善活動家のビル・ゲイツ氏の言動が脚光を浴びている。
5年前に人類最大の脅威は「戦争よりもウイルス」とパンデミック(世界的大流行)の発生をいち早く予言。
現在は「全米封鎖」を求めるなど精力的に政策を提言している。
「人々が州境を自由に行き来できるなら、ウイルスも行き来できる」
ゲイツ氏は先週、米紙ワシントン・ポストへの寄稿で、一部の州がまだ都市封鎖をしていない点を批判。
全米一律の封鎖によりウイルスを完全に封じ込めることが、結果的に早期の経済活動の再開につながると強調した。
五日には、米FOXニュースに「ウイルスの爆発的な感染拡大は悪夢のようなシナリオだ」と語り、「ワクチンができないと、世界は本当の意味で正常な状態に戻らないだろう」との見通しを示した。
マイクロソフトを創業し、千百億ドル(約十二兆円)の資産を持つ「世界一の富豪」で知られるゲイツ氏。
慈善活動家として第二のキャリアを歩み、二月には新型コロナウイルス対策に一億ドルの寄付を表明した。
ゲイツ氏は二〇一五年の講演で「今後数十年で一千万人以上が亡くなる事態があるとすれば、戦争より感染性のウイルスが原因だろう。ミサイルより病原菌に備えるべきだ」と世界中の指導者に警鐘を鳴らしていたことで注目されている。
五日の番組でも「この五年間に行われるべきだったことの5%未満しか行われなかった。本当に起こるかどうか分からないことに資金を投じるのは難しい」と語り、パンデミックが現実となった今後は世界各国でウイルス対策の投資が加速されるとの見方を示した。
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<新型コロナ>「パンデミック」予言 ビル・ゲイツ氏 「全米一律で封鎖」提言
東京新聞(2020年4月7日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/26050
■大きすぎる?ビル・ゲイツのWHOへの影響力
SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会 2021/05/18
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国連の専門機関であるWHOは公的資金を拠出する加盟国によって運営される一方で、民間のドナーに大きく依存している。
その1つであるゲイツ財団は今のところWHO最大の民間出資者で、拠出額はWHO予算の約1割を占める。
この金額を超える出資者は米国だけだ。
もし米国が、トランプ前政権が脅したようにWHOを脱退していれば(バイデン政権によって中止された)、ゲイツ財団が最大のドナーになるという未曽有の事態にWHOは陥っていただろう。
「ゲイツ財団の資金がなければ、ポリオ(小児まひ)根絶など多くのグローバルヘルス(世界保健)目標が危うくなるだろう」と話すのは、米ジョージタウン大学公衆衛生研究所他のサイトへの所長を務めるローレンス・ゴスティン教授だ。
公衆衛生法に関するWHO協力センターの所長でもあるゴスティン氏は、ゲイツ財団のような慈善団体の「気前のよさと創意工夫」を歓迎する一方で、民間ドナーの拠出金への過度の依存を疑問視する。
「同財団がWHOに提供する資金のほとんどは、財団が取り組む特定の課題に使途が限られている。つまり、WHOは自らグローバルヘルス目標の優先順位を決めることができないうえ、責任を負わない民間のアクターに大きな借りを作っている。国家とは異なり、同財団には民主的な説明責任がほとんどない」と同氏は指摘する。
・過大な影響力?
ゲイツ財団グローバル開発部門のクリス・エリアス部長は、「当財団のWHOへの影響力を懸念したり批判したりする声は(随分前から)よくある」と認める。
「しかし」、ジュネーブ国際開発高等研究所(IHEID)のグローバルヘルスセンターが開催した最近のオンラインセミナー他のサイトへで、同氏は次のように語った。
「WHOには加盟国によって決定された世界的な事業計画があると理解することが重要だと思う。財団には、財団の理事会が策定し練り上げた戦略がある。財団は、WHOの世界的な事業計画のうち、財団の戦略に沿う分野を支援する。その結果、財団がWHOの2番目に大きい出資者となっているにすぎない」
エリアス氏は「グローバルヘルスの全分野に財団の戦略があるわけではないから、WHOの一部のプログラムが他のものより十分な支援を受けることはある」と認めるが、「これはWHOの執行理事会が対処すべき脆弱性だ」と指摘する。
(中略)
ニューヨーク・タイムズ紙によれば、WHOはコバックスでより強い主導権を握りたかったが、ゲイツ財団に締め出されたという。
ゴスティン氏は「その話は聞いたことがある」という。
「もし本当であれば、WHOが世界を主導すべきなのに、がっかりだ」
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大きすぎる?ビル・ゲイツのWHOへの影響力
SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会 2021/05/18
https://www.swissinfo.ch/jpn/%E5%A4%A7%E3%81%8D%E3%81%99%E3%81%8E%E3%82%8B-%E3%83%93%E3%83%AB-%E3%82%B2%E3%82%A4%E3%83%84%E3%81%AEwho%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%BD%B1%E9%9F%BF%E5%8A%9B/46621282
■Bill Gates氏、「新型コロナのワクチンは最短9カ月、最長2年で開発できる」
日経バイオテク 2020.05.07
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/05/06/06887/
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Bill Gates氏は、2020年4月30日のブログで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンは、人類史上最速で開発されるだろうとの考えを示した。
同氏が特に期待しているのはRNAワクチンだという。
同氏によると、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)によるCOVID-19の流行が始まった2019年12月より前の世界を取り戻せるのは、ほぼ完全な治療薬を手に入れたとき、または、地球上の全ての人がSARS-CoV-2に対するワクチンの接種を受けたときだ。
同氏はブログで「極めて効果が高い治療薬が登場するまでには時間がかかるだろう。現在検討されている治療薬候補は、いずれ多くの命を救えるかもしれないが、パンデミックを完全に終わらせることができるほどの効果は持っていない。残された希望はワクチンだ。できるだけ早く、有効で安全なワクチンを開発し、大量に製造して、世界の隅々にまで送り届ける必要がある」と指摘した。
米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のAnthony Fauci所長は、SARS-CoV-2に対するワクチンの開発には18カ月を要するとの考えを明らかにしている。
それに対して、Gates氏は、「最短で9カ月、最長2年以内にワクチンが開発できる」との考えを提示した。
これまでのワクチン開発に、約5年がかかってきたことを考えると、18カ月というのは非常に短い時間での開発成功を意味する。
通常、ワクチンの開発は、臨床試験で好結果を得てから、商品化のための製造と承認申請を行い、審査、承認という一連の過程を経て実用化される。
しかし、「COVID-19との闘いにおいては、全ての過程をできるだけカットし、迅速に商品化することによって、より多くの命を救い、経済的なダメージを縮小できるはずだ」とGates氏。
「通常のワクチン開発においては、コストを増やさないために、開発の各段階で慎重な検討が行われる。しかしCOVID-19の場合には、費用対効果の高い開発を心掛ける必要は無い。Bill & Melinda Gates Foundationのような組織や政府が、資金を援助するからだ。科学者たちは、速やかな開発と商品化することに集中できるはずだ」とした。
4月9日の時点で、COVID-19を対象に開発されているワクチン候補の数は115品目に上る。
Gates氏は、それらのうちの8品目から10品目について、「特に有望」と考えているという。
115品目の候補品の中には、伝統的な不活化ワクチンや弱毒化生ワクチンも含まれているが、「それらは開発に時間がかかる。特に有望と考えられるのは、RNAワクチンとDNAワクチンだ。短い時間で商品化できる可能性がある」(Gates氏)。
Bill & Melinda Gates Foundationはこれまで約10年間、マラリアのような疾患を対象とするRNAワクチンの開発を支援してきた。
そして今、RNAワクチンを、COVID-19ワクチン候補の中で最も有望なものの1つと見なしている。
RNAワクチンの中で最初にヒトを対象とする臨床試験の段階まで開発が進んだのは、米Moderna社の製品候補である。
Gates氏は、「ワクチンの臨床試験では、有効性と安全性が示されなければならない。安全性については、軽い発熱や注射部位の疼痛といったマイナーな副作用は許容範囲内だ。有効性については、予防効果が100%というのはあり得ない」とした上で、「有効性が70%以上であればアウトブレイクを収束させられる。60%であっても利用できるが、局所的なアウトブレイクは発生する可能性がある。60%未満では、このウイルスの感染を阻止する集団免疫を人々に付与することはできないだろう」との見解を示した。また、通常、高齢者ほどワクチンの効果は低いことに触れ、「COVID-19ワクチンは高齢者にも有効でなければならない」とした。
さらに、ワクチンについては、有効性と安全性以外にも、(1)接種回数は1回が理想的だが、十分な免疫を得るためには複数回接種が必要になるかもしれない。そうなれば、必要となるドーズは大きく増える、(2)製品の保存法については、多くのワクチンが4℃保存だが、RNAワクチンの場合には-80℃程度である必要があり、これが全世界に流通させることを難しくする可能性がある──といった課題について検討する必要性も指摘した。
加えて、「世界の全ての地域に対して、同時にワクチン接種を可能にできるわけではない。全世界にワクチンが行き渡るまでには数カ月から数年を要するだろう。実用化後、最初に接種すべきは医療従事者であることについては、議論の余地は無いだろう。しかし次は誰にすれば良いのか」との問いを投げ掛け、「低所得国への提供を早くすべきだと考えている。貧困国ではSARS-CoV-2の流行拡大のスピードが速く、死亡リスクが高いからだ。ワクチンが早期に利用できるようになれば、多くの命を救うことができる」との見解を示した。
最後に、「通常ならワクチン製造会社は、工場が所在する国と契約を結び、その国の人々に優先的にワクチンを供給することになる。しかし今回は、全世界の人々が平等に入手できる方法を見いださなければならない。世界保健機関(WHO)と各国の規制当局は、公平な分配のためのルールを構築する必要があるだろう」と指摘している。
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■Bill Gates氏、「新型コロナのワクチンは最短9カ月、最長2年で開発できる」
日経バイオテク 2020.05.07
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/05/06/06887/
『ビル・ゲイツは米国のモデルナというバイオベンチャーに資金提供』
■コロナパニックで「巨額の富を築いた人」たち、その知られざる正体
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72189?page=5
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ビル・ゲイツは新型コロナのワクチンを世界で初めて治験フェーズに移行させて注目を集めている米国のモデルナというバイオベンチャーに資金提供しています。
いまだ新型コロナに対して決定的な治療薬がなくワクチンもない中で、世界で最も早いペースでワクチン開発を進めていることへの期待感から、モデルナの株価は年初来で3倍近くに高騰し、時価総額も2兆円近くにまで拡大しています。
ビル・ゲイツは2016年に妻と運営する自身の財団を通じて2000万ドル(約22億円)の研究資金をモデルナに寄付しましたが、もしこのタイミングで株式を取得していれば巨額のリターンをあげられたでしょう。
ビル・ゲイツは2015年のTED TALKで感染症がアウトブレイクすれば人類の大きな危機となりうると講演していて、今回の新型コロナの感染拡大とそのインパクトを正しく予見していたと話題になっていますが、感染症対策をライフワークとして無償で取り組むと決めていたからこそ、研究資金を寄付するという形をとったと見ています。
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■コロナパニックで「巨額の富を築いた人」たち、その知られざる正体
週刊現代(講談社)2020.05.02
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72189?page=5
「アストラゼネカは世界的にワクチン製造契約を結んでおり、20億回分のワクチンを生産する目標を実現しようとしている。米マイクロソフト創業者、ビル・ゲイツ氏が支援する事業に加え、米国政府と12億ドルの契約も結んでいる」
ロイター2020/06/12
■英アストラゼネカ、新型コロナワクチン生産で米エマージェントと提携
https://fr.reuters.com/article/health-coronavirus-astrazeneca-emergent-idJPKBN23J037
「ゲイツ財団のリーダーシップとの電話会議に続いて、参加企業は治療薬や、ワクチン、診断薬をより迅速に現場に届けるための、具体的な行動の特定に取り組んでいます。第一段階として、15の企業が、すでに一定水準安全性と活性データを有する分子化合物の独自のライブラリーを、2週間前にゲイツ財団、Wellcome、Mastercardが立ち上げたCOVID-19 Therapeutics Acceleratorと共有し、COVID-19に対する可能性を迅速にスクリーニングすることで合意」
「このコンソーシアムには、BD、bioMerieux、ベーリンガーインゲルハイム、ブリストルマイヤーズスクイブ、エーザイ、イーライリリー、ギリアド、GSK、Johnson & Johnson、メルク(米国およびカナダ以外ではMSDとして知られる)、メルク KGaA、ノバルティス、ファイザー、サノフィが参画しています」
ノバルティス 2020年4月20日
■ノバルティスおよびライフサイエンス企業、ビル&メリンダ・ゲイツ財団とともにCOVID-19との闘いに、専門知識や必要な資源の提供を約束
https://www.novartis.co.jp/news/coronavirus-pb20200420
■ワクチン国際枠組みに欧州など10億ドル追加
日本経済新聞 2020/10/1
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64457820R01C20A0000000/
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会合にはビル&メリンダ・ゲイツ財団や製薬会社も参加。
同財団と製薬会社16社は共同声明でワクチン生産で協力していくことを表明した。
ビル・ゲイツ氏は「さらなる努力なしでは低中所得国の人口14%にしかワクチンが提供できない」と警告し、各国政府の資金拠出の重要性を強調した。
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■ワクチン国際枠組みに欧州など10億ドル追加
日本経済新聞 2020/10/1
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64457820R01C20A0000000/
■菅首相 ビル・ゲイツ氏と電話会談 途上国へワクチン供給に協力
NHKニュース 2021年1月12日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210112/k10012809691000.html
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菅総理大臣は、マイクロソフトの創業者のビル・ゲイツ氏と電話で会談し、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けた決意を示すとともに、途上国への新型コロナウイルスのワクチンの供給に協力する考えを伝えました。
菅総理大臣は12日午前、マイクロソフトの創業者で、みずからの寄付をもとに設立した慈善団体を拠点に貧困対策や難病の撲滅などに取り組んでいるビル・ゲイツ氏と、およそ15分間、電話で会談しました。
この中で、ゲイツ氏は、ことし夏の東京オリンピック・パラリンピックの開催に期待を示すとともに、新型コロナウイルス対策で各国が複数のワクチンを共同購入する国際的な枠組みへの日本政府の資金の拠出などに謝意を示しました。
これに対し、菅総理大臣は、東京大会の開催に向けた決意を示すとともに、途上国へのワクチンの供給に協力する考えを伝えました。
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菅首相 ビル・ゲイツ氏と電話会談 途上国へワクチン供給に協力
NHKニュース 2021年1月12日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210112/k10012809691000.html