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日銀金融緩和で刷られた円の行き先が日本企業でも日本国民でもないカラクリ(Dr.苫米地 2016年9月15日TOKYO MXバラいろダンディ) https://www.youtube.com/watch?v=tvzNqO6qsGI

【葛藤なき対米従属】戦闘機開発でまた言いなりか…アメリカにナメられ続けた日本の「悲しすぎる末路」~対米従属から抜け出す道はあるのか?問われているのは私たちの覚悟~


■対米従属から抜け出す道はあるのか?

~日本はどういう国として生きていくのか。問われているのは私たちの覚悟~

論座朝日新聞)2020年11月01日『戦後日本を問いなおす』(原彬久)三浦俊章 朝日新聞編集委員

https://webronza.asahi.com/culture/articles/2020103000003.html


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アメリカの対日優位を示す山ほどの事例


同じ同盟国でも、独仏はアメリカのイラク戦争に反対したが、日本はアメリカを支持して、米艦給油や復興支援で自衛隊を出した。

このほかにも、アメリカの対日優位を示す事例は山ほどある。


基地外に墜落したばかりの米軍ヘリの事故現場に、なぜ日本の警察は近づけないのか。

なぜ首都東京上空の航空管制権を、横田基地を持つ米軍に広範囲に委ねて、日本の航空会社の飛行ルートが制限されるのか。


なぜ日本の首相はワシントン詣でを繰り返し、日本の防衛体制や防衛費に構造的歪みをもたらしてまでアメリカの兵器システムを購入せねばならないのか……。


(中略)


・勝者と敗者がつくった「戦後日本の母型」


著者がまず指摘するのは、アメリカと日本が戦勝国と敗戦国として、戦後の安全保障関係を作り上げたことだ。

その出発点を、著者は「戦後日本の母型」と呼ぶ。


そこには三つの基層がある。

第一の基層は天皇制である。


日本を単独占領したアメリカは、占領を効果的に進めるために天皇制を温存した。

アメリカが天皇制を許容したことは、日本の保守層に感謝の念を生むとともに、アメリカに対する負い目をもたらした。


第二の基層は、日本国憲法、特に9条である。

米国の狙いは、日本がアメリカにとって脅威にならないように、侵略性を除去するとともに、アメリカと同質の民主主義に改造することにあった。


第三の基層は、講和条約と同時に結ばれた日米安保条約(1960年に改定)だ。

著者はその本質を「駐軍協定」とみる。


日米安保は対等な相互防衛条約ではない。

在日米軍は日本を守るだけでなく、極東の平和と安全に寄与するために日本国内の基地を使うことが許されている(いわゆる「極東条項」)。


独立国が他国の軍隊の基地を自国内に認め、実質的にその自由な使用を認める世界でも稀有な条約になっている。

以上、三つの基層に共通するのは、国益を徹底的に追求するアメリカの政治的リアリズムだ。


こうした占領体制を色濃く残す「戦後日本の母型」の上に、日米非対称体制が築かれている。


日米安保が「駐軍協定」の性格を持つことは、他の研究者も指摘しているが、天皇制と憲法も含めて「三つの基層」という枠組みでとらえ、そこに通底するものとしてアメリカの国益の論理を見るのは、国際政治学のリアリズムの古典(E.H.カーやモーゲンソー)を深く読み込んだ原氏ならではの鋭い着眼点である。


著者の日米非対称システムの分析は、さらに一歩踏み込む。

アメリカ優位の体制が続くのは、弱者である日本がそれを受け入れているからでもある。


それは何か。

著者が挙げるのは、占領期の首相吉田茂である。


吉田は、占領軍に対峙するにあたって「敗けっ振りをよくする」ことを考えた。

しかし、不平等の極みである「極東条項」を飲んだのは吉田の外交的失策ではないか。


「敗けっ振り」をよくすることは、アメリカの目には日本人の「従順さ」「自立心の弱さ」と映り、日本の「対米追随」を定着させた、と原氏は見る。

この脆弱性を、その後の保守政権の外交も、克服できなかった。


安保を批判していた社会党も、同党が首班の村山富市政権で「安保堅持」に転じた。

村山政権は1995年の沖縄少女暴行事件で地位協定への批判がかつてなく高まったときも、改定のチャンスを逃している。


政党が保守であろうと革新であろうと、日本外交は非対称システムに屈し続けた。

従属構造を変える道は、あるのだろうか。

 

・現状に対する危機感の深さ


では、日本はどうすればアメリカと対等になれるのか。

同盟強化論者たちのひとつの見解は、日本が集団的自衛権を米領土でも行使できるようにして、真の相互防衛条約にすればよい、というものだ。


だが、ことはそれほど簡単ではない。

アメリカの世界戦略における極東条項・地位協定の絶大な軍事的・政治的効用からすれば」、それらを手放すことはありえない、アメリカがこの権利を手放す時は、日本を見捨てるときだろう、と原氏はみる。


アメリカの外交文書をつぶさに研究し、アメリカの官僚や軍人が日米安保をどう見てきたかを知り尽くした著者の発言は重い。

日米の非対称性を改めるには、いったいどうすればいいのか。


ここから、叙述のトーンはがらりと変わる。

すくなくとも、私にはそう感じられた。


日米非対称の構造を分析する著者の筆致は、シンプルに整理され分析は鋭利である。

ところが、処方箋を論じる段になると、次から次へと課題や論点がわき出してくる。


まずは、権力に弱い日本国民の心性、主張すべきことを主張しない欠点が指摘される。

外交力の飛躍的な向上の必要性が説かれ、護憲・改憲の硬直した対立も克服せよ、という。


強力な野党の必要性、民主主義の最後の砦としての文民統制、さらには靖国問題や歴史意識、と次々に課題が現れる。

どれももっともな指摘だが、アメリカと対等になるためには、日本政治、日本社会への深い自省が必要ということなのだろうか。


実証分析をやってきた学者がここまで話を広げるのは、著者の抱く現状への危機感だろう。

その危機感の深さに圧倒される。

 

・独立の気力なきものは……


ここでは原氏の指摘のうち、特に共感した2点に触れて、この小論を閉じたい。

原氏は本書で明治の思想家、福沢諭吉の『学問のすゝめ』から以下の部分を引いている。


「独立の気力なき者は、必ず人に依頼す、人に依頼する者は、必ず人を恐る。人を恐るる者は、必ず人に諂(へつら)うものなり。常に人を恐れ人に諂う者は(中略)論ずべきを論ぜず、人をさえ見れば、ただ腰を屈するのみ」(第三編)


これは外交の話だけでない。

国内政治においても、私たちの社会生活や組織の中でも、そういう独立の気概があるのか、と問わねばならないだろう。


活力なき社会で、外交ばかりが活力を持つことはありえないからだ。

 

・日米の非対称性克服の道はマルチの構築しかない


原氏の指摘で、もうひとつ、ひざを打ったのは、アジア太平洋における多国間相互依存ネットワークの構築の提言である(著者「あとがき」)。

アジアには、北大西洋条約機構NATO)や欧州連合EU)のようなマルチの枠組みはない。


基本は、アメリカを中心とする二国間の同盟関係からなるハブアンドスポークの安全保障体制だ。

たしかに、欧州とアジアには国際環境と歴史の違いがあり、アジアで同様の枠組みを作るのは相当険しい道のりと言わざるを得ない。


しかし、現在のアメリカ中心の体制が続く限り、アメリカの同盟国同士は横のつながりが弱い。

欧州のように同盟国同士が団結してアメリカに向き合ったり、注文したりすることはない。


それによってアメリカの優位は固定化し、またアメリカのコミットメントが崩れれば安全保障の枠組み全体が崩れる脆弱性がある。

ハブアンドスポークに依拠する日米の非対称性を克服する道は、遠い目標であるが、やはりマルチの構築しかないだろう。


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対米従属から抜け出す道はあるのか?~日本はどういう国として生きていくのか。問われているのは私たちの覚悟~
論座朝日新聞)2020年11月01日
https://webronza.asahi.com/culture/articles/2020103000003.html

 

 

 

 

 

 


■対米従属から脱却するために、いま日本がやるべき「3つのこと」

週刊現代講談社)2019.5.19

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64558


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・安保条約はアメリカの軍部が書いた


まず、問題は大きく2つに分かれる。

(1)なぜ、これほど異常な状況が生まれたのか
(2)なぜ、これほど異常な状況が続いてしまったのか


この(1)の問題をあっけなく説明してしまうのが、この人物だ。

カーター・B・マグルーダー陸軍少将。


彼が日本の戦後史における第1の盲点である。

おそらく彼の名前を聞いたことがある人は、ほとんどいないだろう。


だが「戦後日本」という国家にとって、実はこれほど重要な人物もいない。

というのはこのマグルーダーこそが、現在まで続く、日米安保条約日米地位協定の本当の執筆者だからである。


ではなぜ他国との条約を、本来の担当であるアメリ国務省ではなく、軍人が書くことになったのか。

その理由は旧安保条約が調印された1951年の、前年(1950年)6月に起きた朝鮮戦争にあった。


この突如始まった戦争で米軍は当初、北朝鮮軍に連戦連敗する。

その後も苦戦が続くなか米軍は、それまで一貫して拒否していた日本の独立(=占領終結)を認める代わりに、独立後の日本との軍事上の取り決め(安保条約)については、本体の平和条約から切り離して軍部自身が書いていい、朝鮮戦争への協力を約束させるような条文を書いていいという、凄腕外交官ジョン・フォスター・ダレスの提案に合意したのだった。


なので先の(1)への答えは非常に簡単だ。

日米安保条約地位協定は、もともとアメリカの軍部自身が書いたものだった。


しかも平時に書いたのではなく、戦争中に書いた。

だから米軍にとって徹底的に都合の良い内容になっているのは、極めて当然の話なのだ。


その取り決めの本質は、下の旧安保条約・第1条のなかにすべて表現されている。

ーーー

旧安保条約・第1条(1951年9月8日調印)(要約)

アメリカは米軍を、日本およびその周辺①に配備する②権利を持つ」

ーーー

この②の部分が日本の国土の「自由使用」、①の部分が「自由出撃」(日本の国境を自由に越えて行う他国への攻撃)を意味している。

その2つの権利を米軍は持つということだ。


そしてこの短い条文が意味する具体的な内容を、さまざまな状況別に条文化したものが、安保条約と地位協定(当時は行政協定)、そして無数の密約なのである。

いうまでもなく、そうした国家の主権を完全に他国に明け渡すような条約を結んでいる国は、現在地球上で日本以外にない。


つい最近、21世紀になってからアメリカに戦争で負けたイラクアフガニスタンでさえ、米軍がそれらの国の許可なく、国土の「自由使用」や「自由出撃」をおこなうことなど絶対にできない。

いくら戦争でボロ負けしようと、占領が終われば国際法上の主権国家なのだから、それが当然なのである。

 

・インチキだった安保改定


ところが日本だけはそうなっていない。

その理由もまた、ひとことで説明することができる。


安保改定がインチキだったからだ。

1960年に「対等な日米新時代」をスローガンにして岸首相がおこなった安保改定により、旧安保時代のような事実上の占領状態はなくなったと日本人はみんな思っている。


ところが岸は安保改定交渉が始まる前年、訪米しておこなったアイゼンハワーとの首脳会談で、次の内容に合意していたのである。

ーーー

「日本国内の米軍の配備と使用については、アメリカが実行可能な場合はいつでも協議する」(部分)(会談後の共同声明 1957年6月21日)

ーーー

前ページの旧安保条約・第1条に書かれた、「日本の国土の自由使用」と「自由出撃」という植民地同然の権利。

それが安保改定後もそのまま存続することが、このとき確定した。


というのも岸による安保改定の目玉は、米軍の自由な軍事行動に日本側が制約をかける「事前協議制度」の創設にあったのだが、その「事前協議」の本質が「米軍がやりたくない場合はやらなくていい」ものだということが、ここで合意されてしまったからである。


その後結ばれた新安保条約、日米地位協定と、その他無数の密約は、やはりこの共同声明の1行を、細かく条文化する形で生まれたものといってよい。


そしてその過程で、日本の戦後史における2つ目の盲点が生まれる。

下の漫画の2コマ目にある「討議の記録」という名の「密約中の密約」である。


これはいわば先の共同声明の内容(事前協議制度の空洞化)を、ABCD4つの具体的な密約条項に書き換えたものといえる。

漫画にあるように、AとCが日本の国土の自由使用、BとDが日本の国土からの自由出撃についての密約である。


新安保条約調印の約2週間前(1960年1月6日)に藤山外務大臣によってサインされている。

冒頭の「(2)なぜ、これほど異常な状況が続いてしまったのか」という問いへの答えは、この密約文書ひとつですんでしまう。


ひとことでいうとこの密約は、旧安保時代の米軍の権利は、ほぼすべてそのまま引き継がれるという内容の密約だからだ。

ところがこの「日米密約の王様」ともいうべき最重要文書のことを、やはり日本の官僚もジャーナリストも、ほとんど知らない。


その理由は外務省が長らくこの文書の存在を否定し続け、2010年にようやくその存在を認めたあとも、一貫して文書の効力を否定し続けているからだ。

 

(中略)


・輝ける未来のためにすべきこと


このような構造を知ると、せっかく盛り上がりつつある地位協定の改定運動に水をかけるようで大変申し訳ないのだが、いくら地位協定の条文を変えても、新安保条約・第6条後半の「及び、合意される他の取り決め(で決定する)」という部分を削除しないかぎり、なんの意味もないことがわかる。


この短い文言のなかにはすでにご説明したとおり、日米合同委員会だけでも(安保改定以前と以後をあわせて)1600回を超える、密室での秘密合意の内容がすべて含まれているからだ。

だから地位協定を本気で改定しようとするなら、必ず新安保条約・第6条から上の下線部分を削除したうえで、改定をおこなう必要がある。


つまりそれは非常にミニマムな形ではあるが「安保再改定」にならざるをえないということだ。

「いや、地位協定の改定だけでもハードルが高いのに、安保再改定なんて絶対無理だよ」

とあなたは思うかもしれない。


けれどもそんなことは、まったくないのだ。

国会で正式に批准された「日米地位協定の条文」と、過去70年にわたって密室で蓄積された秘密合意が、法的に同じ効力をもつことを定めたこのメチャクチャな条文。


まともな親米政権をつくって「ここだけは占領期の取り決めが継続してしまったものなので、変えることに同意してほしい」といえば、断ることのできるアメリカの官僚も政治家も絶対に存在しない。

いま東アジアでは、世界史レベルの変化が起こりつつある。


昨年(2018年)3月から韓国の文在寅大統領がスタートさせた入念かつ大胆な平和外交が、その巨大な変化を生んでいるのだ。

それに比べて日本の解決すべき課題は、なんとちっぽけなことだろう。


「新安保条約・第6条の一部削除」

日米地位協定の改定」

日米安保の問題については憲法判断しないとした砂川裁判・最高裁判決の無効化」


この3つさえおこなえば、在日米軍を日本の国内法のコントロール下におくことが可能となり、現在の歪んだ日米関係は必ず劇的に改善する。


だからこの「最小限の安保再改定」と「地位協定改定」と「砂川裁判・最高裁判決の無効化」の3つで、まず野党の指導者が合意し、それに自民党良識派も足並みをそろえてみてはどうか。

そして国家主権の喪失という大問題を解決したあと、またそれぞれの政治的立場に帰って議論を戦わせればいい。


逆に、ここまで私が説明してきた法的構造を理解した上で、それでもなお、上の3つに怖くて手をつけられないという政治家は、日本という国の政治指導者の座から、すぐに退場させるべきだ。

この本当に小さな変更さえおこなえば、その先に、われわれ日本人が望んでやまない、


「みずからが主権をもち、憲法によって国民の人権が守られる、本当の意味での平和国家としての日本」

という輝ける未来が、訪れることになる。


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対米従属から脱却するために、いま日本がやるべき「3つのこと」~これができない政治家は退場せよ!~
週刊現代2019.5.19
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64558

 

 

 

 


■「安倍外交は思考停止状態の“葛藤なき対米従属”。自ら進んで愚鈍化している」

exciteニュース 2016年6月5日 週プレNEWS

https://www.excite.co.jp/news/article/Shueishapn_20150523_48231/


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憲法改正集団的自衛権の行使容認、原発再稼働など、ここ数年、日本が直面する諸問題について「戦後の歩み」という視点から分析し、警鐘を鳴らす内田樹(たつる)氏と白井聡氏の対談本『日本戦後史論』(徳間書店)が注目を集めている。


戦後70年の節目で大きな政策転換を図ろうとする日本の「今」を、世代の異なる人気論客のふたりはどう捉えているのか?

* * *

―まずは、おふたりがなぜ日本の政治や社会が置かれている今の状況に強い危機感を感じ、怒りを露(あらわ)にしているのかというあたりから伺いたいのですが?

 

白井 ともかく起きることすべてに腹が立つので、自分が何に怒っているのかわからなくなりそうなんですが、きっかけは、やはり4年前の3・11東日本大震災です。

で、その3・11と絡めて話すと、最近、第2次世界大戦中の本土空襲に対する政府の対応について書かれた『検証 防空法 空襲下で禁じられた避難』(法律文化社)という本を読んだんですね。戦前の政府は、対米戦が始まる前から本土空襲を想定して「防空法」という法律をつくるのですが、その基本精神は「国民は逃げてはいけない」ということなんです。

なぜかというと「初期消火が国民の義務」だからです。政府は焼夷(しょうい)弾の威力をよくわかっていながら「焼夷弾なんて怖くない。国民は逃げずに都市にとどまって、勇猛果敢に火と戦え」と。学童疎開が行なわれましたが、それは若い命を救うためではなくて、あくまで「消火の足手まといになるから」というロジックでなされたのです。

しかも、「すぐに飛び出して初期消火ができるように、防空壕(ごう)は家の床下に穴を掘って造るように」としたのです。でも、家が空襲で燃えれば、防空壕に避難した人が蒸し焼きになって死んでしまうことなどわかるはず。戦前の政府は国民の命を守るのではなく、この「防空法」で彼らに逃げることを許さず、都市に人間を閉じ込めて蒸し焼きにしたのです。
この本を読んでいると、今の福島が置かれている状況を連想せずにはいられません。本当は原発放射線がどんなに恐ろしいものかわかっていながら、安倍政権は国民や国土ではなく「政府そのもの」や「国」を守るために現実を否認してでも前に進もうとしている。やっていることは戦前の防空法と同じです。

表向き、日本という国は1945年の敗戦によって大日本帝国とはまったく違う国に生まれ変わったことになっているけれど、3・11以降、本当はそうじゃないということが明らかになった。戦時中、国民は国家の奴隷のような状態だったわけですが、今もその状態を脱していないと思うわけです。ところが、国民は自分たちが奴隷状態であることに腹も立てず、気づきもしない。
それどころか、それに気づいて怒り始めた人に対して、「バカじゃないの」と指さして笑い合うことを娯楽にする連中が増殖している。僕はそんな国民に呆れ果てています。

 

内田 現状に対する認識はほとんど同じです。でも、市民的自由と民主主義という、近代市民社会の価値観が支配的だった時期もあったと思います。

例えば、高度成長の駆動力になっていたのは「今度はアメリカに勝つ」という、戦中派の戦闘的なメンタリティでした。「軍事で負けた戦いを経済の舞台でやり返す」という気持ちが確かにあった。

その一方で、戦後日本の外交戦略は一貫して「対米従属を通じて対米自立を実現する」という屈折したものでした。アメリカから自立するためには、とりあえず徹底的にアメリカに従属しなければならないという複雑な方程式を戦後日本は選ぶことを余儀なくされた。

だから、日本の戦後は「葛藤の70年間」だったと思います。ただ、この葛藤が生産的に機能したという側面もあった。人間は葛藤の中で成長するものですから。

それがこの10年で大きく変わり、葛藤を忌避して、シンプルな物語を好む人たちが社会の前面に出てきた。対米従属と対米自立の難しい案配ができなくなった。

政治的な右傾化というよりはむしろ「精神的な幼児化」ということじゃないかと思います。建前と本音を巧みに使い分けしながら、アメリカに面従腹背して国益をじりじりと確保するという複雑な芸当をする能力を日本人が失った。

日本政府が外交能力を失い、日本人の国際感覚が鈍麻して、ベタでわかりやすいストーリーにすがりつくようになったのです。その結果、外交は思考停止状態の「葛藤なき対米従属」になっている。


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安倍外交は思考停止状態の“葛藤なき対米従属”。自ら進んで愚鈍化している」
exciteニュース 2016年6月5日 週プレNEWS
https://www.excite.co.jp/news/article/Shueishapn_20150523_48231/

 

 

 

 


アメリカにナメられ続けた日本の「悲しすぎる末路」

戦闘機開発でまた言いなりか…

週刊現代講談社)2020.12.13

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/78291


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・米政府に煮え湯を飲まされた過去


だが、ここからが問題である。

防衛省には戦闘機開発をめぐり、米政府に煮え湯を飲まされた過去があるからだ。


1980年代に、F2戦闘機を日米で共同開発した際、米政府は米議会の反対を理由に提供を約束した飛行制御プログラムを開示せず、日本側の開発費が高騰する一因になった。

開発終了後も、米政府は機体製造への参画を言い出して譲らず、日本政府から受け取る製造費は開発費と同じ割合の40%を主張。


日本政府が折れて希望通りに支払った結果、約80億円で調達できる見込みだったF2は約120億円に高騰した。

エンジン1発のF2が、エンジン2発のF15戦闘機より高いのだ。


これで見合うはずがない。防衛省は調達機数を当初予定した141機から94機に下方修正し、計画より早い2007年に三菱重工業での生産を終えた。

その一方で、日本の先進技術による炭素複合材の製造技術が米国に流れ、米国はF22戦闘機やF35戦闘機に転用するちゃっかりぶりも明らかになった。


F2の生産終了後、三菱重工業で行っている戦闘機の製造といえば、F35戦闘機の「組み立て」である。

米政府が日本側に戦闘機の製造技術が流れることを嫌ってライセンス生産を認めず、部品を組み立てるだけのノック・ダウン生産にとどめたからだ。


愛知県の小牧南工場で生産されているにもかかわらず、米政府はステルス技術の流出防止を理由に検査棟を立ち入り禁止とし、完成検査は日本側を締め出して米側だけで行っている。

完成検査後の機体は米政府の所有となり、米政府は防衛省の購入価格を米国から輸入するより約50億円も高い約150億円の高値をつけた。


すると、安倍晋三政権は2018年に追加導入を決めた105機を「安い方」とすることを決め、追加分のF35はすべて米政府からの輸入となり、三菱重工業での生産は行われないことになった。

 

・日本は自立した国家になれるのか


日本政府は面白いように米政府のワナにはまり、米政府の言いなりである。

その反省から、防衛省は今回の次期戦闘機の開発にあたり、「わが国の主体的判断で改修や能力向上ができる改修の自由度」を条件にひとつに入れた。


日本で開発したり、生産したりしながら、米政府の意向で満足に改修できなかった過去を打ち破ろうというのだ。

また、国内企業参画を目指し、国内産業基盤を維持するために「適時・適切な改修と改修能力の向上」と「高い可動率の確保および即応性向上の観点から、国内に基盤を保持しておくことが必要」とした。


第2次安倍政権になってから、米政府の武器商法である「対外有償軍事援助(FMS)」に基づいて、米国製武器の「爆買い」をした結果、米政府に支払いを済ませているのに武器が未納となっているケースが2017年度末で約349億円に達することが会計検査院の報告書で明らかになっている。

米政府に主導権を握られると米側の都合が最優先され、次期戦闘機が肝心なときに稼働できない事態に陥ったり、適時・適切に改修もできないようになったりしては、お話にならない。


防衛省幹部は「わが国が主導する開発プロジェクトの中で、どのような形での国際協力を活用するかがカギになる」と話す。

今回、選定されたロッキード・マーチン社は三菱重工業の下請けとして、同社や防衛省が必要と判断した範囲内の業務のみに従事する「脇役」に留め置くという。


米政府の言いなりになるだけの不適切な主従関係を見直し、自立した国家になれるのか、次期戦闘機の開発を通して、日本の覚悟が問われている。


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アメリカにナメられ続けた日本の「悲しすぎる末路」
戦闘機開発でまた言いなりか…
週刊現代講談社)2020.12.13
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/78291

 

 

 


■対米従属政治がなぜだめなのか

エキサイトニュース(2019年2月26日)植草一秀

https://www.excite.co.jp/news/article/Mediagong_27754/

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政治を刷新するには選挙という関門を通過しなければならない。

戦後の日本政治を支配してきたのは敗戦直後の一時期を除き、対米従属勢力だった。


敗戦直後の総選挙によって片山哲内閣が樹立された。

社会党党首を首班とする政権だった。


後継の政権は芦田均内閣だった。

主権者の意思によって革新政権が樹立されたのである。


片山哲内閣が樹立されたのが1947年5月。芦田内閣が樹立されたのは48年3月だ。

しかし、芦田内閣は48年10月に総辞職に追い込まれた。


背景にあるのは日本を占領した米国が、この二つの政権を嫌ったことである。

米国による占領政策は1947年に大逆転した。


「日本民主化」から「日本非民主化」に基本路線が大転換したのだ。

敗戦直後の対日占領政策は徹底した民主化路線に特徴があった。


GHQで主導権を保持したのはGS=民生局である。

財閥解体、農地解放、労働組合育成などドラスティックな政策が遂行された。


その集大成が日本国憲法の制定だ。

日本国憲法は1646年10月に公布され、47年5月に施行された。


米国の変節、転換は1947年のことだ。

1947年、米国は外交の基本路線を大転換した。


新たに基軸に据えられたのは「ソ連封じ込め」である。

日本を徹底した民主主義国家として育成する方針は排除され、日本を「反共の防波堤」にする方針が新たに示された。


ここに日本国憲法出自の秘密がある。

対米従属を批判する者が日本国憲法を擁護するのは「矛盾だ」とする見解が聞かれる。


「米国が制定に深く関与した日本国憲法を、対米従属を批判する者が守ろうとするのはおかしい」との主張だ。

しかし、この主張を示す者は、戦後史の核心を知らない。


1947年に米国の対日占領政策の基本路線が大転換している。

「逆コース」と呼ばれる。


「逆コース」前の占領政策は真摯な民主化路線に貫かれたものであり、日本国憲法は、この「逆コース」前の占領政策によって生み出された。

ところが、「逆コース」で占領政策の基本が大転換した。


民主化路線」は「非民主化路線」に転換してしまったのだ。

「非民主化路線」を採用した「逆コース」後の占領政策にとって、日本国憲法は邪魔な存在になった。


したがって、「逆コース」後の対米従属勢力が憲法改定を叫び、「逆コース」前の民主化路線を肯定する者が日本国憲法を擁護するのは順当なのだ。

まったく矛盾していない。


「逆コース」後の占領政策において実権を握ったのがGHQのG2(参謀2部)である。
1947年から1952年にかけて、日本では奇怪な事件が多発した。

そのほとんどの背後に見え隠れしているのがGHQ・G2の工作活動である。


松本清張氏が『日本の黒い霧』で深い考察と詳細な事実関係を示している。

1948年に米国の工作活動によって吉田茂内閣が樹立されて以降、70年間にわたって、日本政治は対米従属勢力によって支配され続けてきた。


この基本構造を打破しようとする試みが何度か開花しかけたが、対米従属勢力の卑劣で不正な工作によって破壊されてきた。

1993年の細川護熙内閣の樹立、2009年の鳩山由紀夫内閣の樹立がその代表事例だが、両政権は米国=CIAの工作活動によって破壊された。


この歴史的経緯を踏まえて日本政治刷新の道筋を描かなければならない。

重要なことは、単なる政権交代では意味がないということだ。


政権交代に意味があるのではなく、政権交代によって政治の基本を変えることが重要なのだ。

このことを踏まえて2019政治決戦に臨まなければならない。


何よりも大事なことは、政策を基軸に反安倍自公陣営を形成することだ。


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対米従属政治がなぜだめなのか
エキサイトニュース(2019年2月26日)植草一秀
https://www.excite.co.jp/news/article/Mediagong_27754/

 

 

 

 

 

 

 

 

 


■なぜ日本はアメリカの「いいなり」なのか?

・知ってはいけないウラの掟

「日本の空は、すべてアメリカに支配されている」

自衛隊は米軍の指揮のもとで戦う」

週刊現代講談社

2017.08.05

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/52466

 

 

 

 


憲法よりも国会よりも強い、日米「秘密会議」の危ない実態~これが日本の現実だった~

自衛隊基地が米軍のものになる」

「すべての自衛隊基地を米軍と自衛隊が一緒に使って、米軍の指揮の下で共同演習をやる」

週刊現代講談社)2017.10.24(田原総一朗×矢部宏治)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/53252?page=5

 

 

 

 


■安倍首相の危険な最終目標 徴兵制復活、上世代に雇用奪われた若年層を戦地へ派兵の懸念

・現実味帯びる徴兵制

「安倍首相は、憲法解釈の変更という重大な決定を閣議決定でできると言ってのけた人物」

Business Journal 2014.12.13

https://biz-journal.jp/2014/12/post_8272.html