■菅外交は、アメリカの「お友達」を選ぶのか、「仲間」を目指すのか/倉山満
SPA!(2020年11月12日)
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◆首輪のついた「弱い日本」から「自立した強い日本」への道は、軍事力を裏付ける経済力の回復だ
さて、こうした流れの中で安倍外交はなにをやってきたか。
孤立するトランプの友達でいた。
ただ、それだけだ。
この場合の「友達」とは「仲良し」であって「仲間」ではない。
(中略)
ただ、精神論だけ言っても裏付けが無ければ意味がない。
では、その防衛費を増額させる財源はどこからひねり出すか。
経済成長以外にありえない。
安倍内閣は8年も政権を独占しながら、景気回復すら達成できなかった。
それどころか2度の消費増税により景気回復を腰折れさせていたところに、コロナ禍である。
今でこそ巨額の給付により国民経済は何とか支えられているが、ではいつまでこれを続けるか。
それとて、今すぐ金融緩和をやめてしまえば、リーマンショック以上の大不況が押し寄せてくるのだ。
◆米中対立の中で、我が国の選択肢は二つしかない
コロナ禍を収拾、そして景気回復を成し遂げねば、外交などできはしないのだ。
古い格言に「外交と軍事は車の両輪」とある。
軍事抜きの外交など、発言力は十分の一だ。
もし菅内閣が本気で外交をやるならば、防衛費GDP2%程度の軍事力を持たねば話にならないし、その為にはコロナ禍とデフレ経済を早々に退治しなければ、軍事力の裏付けとなる経済力が回復しない。
米中対立の中で、我が国の選択肢は二つしかない。
一つは翻弄されるだけの存在。
もう一つは自分の力で生きる国となること。
さて、菅義偉首相の選択はどちら?
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■菅外交は、アメリカの「お友達」を選ぶのか、「仲間」を目指すのか/倉山満
SPA!(2020年11月12日)
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