■【安倍元首相の国葬アンケート結果発表】「反対」が79.7%で「賛成」の4倍以上 「在任期間が長いだけ」の声も…
「文春オンライン」2022/08/13
https://bunshun.jp/articles/-/56632
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7月8日に銃撃を受けて死去した安倍晋三元首相(享年67)の国葬が、今年9月27日、東京・日本武道館で開催されることが閣議決定されました。
首相経験者として国葬が行われるのは、1967年の吉田茂以来、戦後2例目として注目を浴びています。
岸田文雄首相は、異例ともいえる国葬を決断した理由として、憲政史上最長となる8年8カ月の長期政権であったことや、東日本大震災からの復興、アベノミクスをはじめとする経済再生、外交の展開など、さまざまな分野で実績を残したことを挙げています。
しかし、国葬に至った法的根拠がないことや葬儀のために国費が使われることを問題視する意見も出ています。
また、安倍元首相が関与したとされる森友・加計学園問題、「桜を見る会」問題の責任追及や、旧統一教会との関係性の解明などが終わらない段階で国葬を決めるのは時期尚早との意見も上がっています。
さまざまな議論を呼んだこの国葬について「文春オンライン」編集部ではメールマガジン登録者を対象に「安倍晋三元首相の国葬緊急アンケート」を実施。
7月30日から8月7日まで9日間にわたって「あなたは安倍元首相の国葬についてどう思いますか?」という質問に対して「賛成」「反対」「どちらともいえない」の3つの選択肢の中から1つを回答いただきました。
その結果、15歳から93歳までの幅広い年齢の方々から2981人の回答が集まりました。
内訳は男性が2046人、女性が933人、無回答が2人でした。
結果は、「賛成」が499人(16.7%)、「反対」が2375人(79.7%)、「どちらともいえない」が107人(3.6%)と「反対」が多数を占める結果に。
性別ごとの結果を見ると、男性は「賛成」364人(17.8%)に対して、「反対」が1617人(79.0%)。
女性は「賛成」135人(14.5%)に対して「反対」が756人(81.0%)と、女性の方が国葬に反対の割合が多い結果となりました。
「賛成」という回答の中では、長期政権を率いた安倍元首相の国への貢献や、外交上のメリットを重視する意見が目立った一方で、「反対」という回答の中には国葬の法的根拠や定義を求める声や、コロナ禍などを起因して経済が悪化を辿るなか葬儀に税金を使う必要があるのかとの指摘もありました。
アンケートの結果をもとに、安倍元首相の国葬について、「賛成」「反対」「どちらともいえない」に寄せられた声の一部をご紹介していきます。
・賛成は16.7% 「優しい親戚の叔父さんのようなシンパシー」
「長年首相を務めたという実績自体が、党派を超えて彼の日本への貢献への証として示せるから。また多くの国民が献花に訪れていた実績に鑑みれば国葬とすることは適切」(44・男性)
「海外からの弔問客に対応するためには、国葬でないと無理。諸外国からそれだけの評価がされているということでもある。ここで弔問外交をすることは、国益になる。そういう貴重な機会を、最後に安倍さんが残してくださったということだと思う」(70・女性)
「ローマ教皇とエリザベス女王が公式にお悔やみを出しています。国連でも黙祷。世界各国がお悔やみを出しています。一国の元総理に対して、これらの追悼表明は異例。世界の声に答えなければなりません」(52・男性)
「政治的信条の好き嫌いは別として、各国からの弔問に一度に対応できるのは何にも代えがたい。プーチン大統領が来るのなら奈良県警に警備させればいい」(54・女性)
「日本国内でも世界規模でも偉大な政治的業績を成し遂げた人だから。また自分の世代観で言うと、民主党時代のリーマンショックで苦しい就職活動を送り大手企業には入れなかったが、数年経ち、就職先のベンチャー企業がアベノミクスのもと景気の恩恵を受けて生活が改善されたという感覚がある。その感覚もあり、個人的には安倍首相に非常に感謝しています」(36・男性)
「統一教会との繋がりは衝撃的だったが、小学生の時から『国際社会のリーダー』としての姿が強烈に染み付いている。生まれてから総理大臣、政治家に対しては辟易としたイメージがあったが、日本のため責務を投げ出さず外交などに奮闘していたイメージもあるし、なんなら優しい親戚の叔父さんのようなシンパシーもあるため。脱統一教会は進めていくべきだと感じているが、改めて日本国民が一つになるためにも、好感度の高かった安倍さんの国葬はするべきだと感じる」(26・男性)
「安倍さんは生前、色々な政策、外交をしてくださった。桜を見る会や、森友学園問題など、問題点はあったものの、アベノマスクなど印象深いことも行って、広く国民に親しまれていた方だと思います。国葬には多額な税がかかるが、日本が今後さらに発展していくために色々と尽力してくださった人だから、私は賛成派です」(15・女性)
「お亡くなりになったと知った時、想像以上に不安になり、心が痛んだから。彼の功績や経歴はそれほど詳しくないけれど、亡くなったことに対しこんなにつらく悲しく思う自分に驚きました。気づかないうちにたくさん影響を受けていたのだと感じました。彼の発する優しい言葉は他の政治家に例をみないものです。願わくば国葬でどうか安らかにとご冥福をお祈りします」(49・女性)
「多額の税金を使うから反対」という意見も分からなくないけど、安倍元首相がながく政権を維持し、復興、あらゆる国の改善、危機、困難を打破してきた功績は揺るがない真実です。この為国民は平和に暮らせた事も感謝するべき。志半ばに惜しくも亡くなられどれだけ無念か計り知れません。国を挙げて感謝を伝える日にテロなど起きぬよう願います」(55・女性)
「日本の総理大臣であり、国益に貢献し、外交面で世界をリードするイニシアティブを発揮し、日本の存在を押し上げた点は唯一無二の人だから。一方、モリカケ問題や桜の会で政治を私物化している点は許されないことで忘れてはいけない」(63・男性)
「テロには屈しないという、民主主義を世界に発信するため」(41・男性)
「莫大な費用をかけないなら賛成です」(62・男性)
「私は安倍氏が山口県で初めて立候補した時から山口県に住んでいましたので応援演説を聞きに行ったりし人柄を気に入っていました。その後の活躍は御存知のとおりです。国葬には大賛成です、ご冥福をお祈りいたします」(79・男性)
・反対79.7% 「本来は裁判で裁かれなければならない人物」
「まず法律の根拠が無い。国葬令は戦後に廃止されている。ましてや現職の総理大臣でもなく、数々の疑惑(森友・加計・桜など)を曖昧にしたまま終わってしまった人物。統一教会との関係性も政教分離違反である。国会を通す事無く、国民の声も無視して閣議決定で決めてしまったプロセスにも問題がある。いつから閣議決定は憲法より上になったのか。正直、統一教会との関係をうやむやにしたいという政権側の目眩し作戦にしか見えない」(47・女性)
「憲法で日本国の象徴と定められている天皇崩御の際の国葬は仕方ないとして、香淳皇后の国葬さえ行わないのに、現役の総理大臣でもない単なる一国会議員を国会の議決もなく特別扱いする理由がわからない。織田信長の葬儀を取り仕切った羽柴秀吉のように、自民党岸田政権が国葬を利用して自らを権威付けしようとしているのは明白」(60・男性)
「国葬は天皇のみとし、首相経験者や議員は政府と所属政党等の有志による合同葬とするのが妥当。政府主導とすることで国葬並みの威厳は保てるはず」(61・男性)
「長く総理大臣の座にあったというだけで、国家に対する功労がない。吉田茂と同等でなければならないとまでは言わないが、社会・経済の安定と発展をもたらすような政治ではなかったことは、現状を見ても明らかである。選挙応援中に凶弾に倒れたことはセンセーショナルな事件であり、ご本人にとってもさぞかし意外で無念であったろうと同情はするが、死因とは切り離して判断すべきである」(57・女性)
「沖縄返還とノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作元総理が国民葬だった点で、実績のない安倍元総理を、党則を変更して総裁を3期務めて最長の首相在任期間であったことを理由に国葬にするのは根拠が乏しすぎると思われる」(65・男性)
「桜を見る会、モリカケ問題、財務省赤木さんの自死などの問題が全く解決していない。疑惑が多すぎて、本来は裁判で裁かれなければならない人物だと思うため。コロナの病床ひっ迫や、貧困問題などに税金を遣うべき」(42・女性)
「国民から吸い上げた血税を費やすことに反対です。お金があるなら、生活に苦しんでいる人達のために回すべきです。自民党葬にして、自民党議員が葬式代を負担するべきです。困窮する国民への思い遣りが全くないと思います」(64・女性)
「税金で行うという点にのみ反対です。反対意見もあるのでクラウドファンディングなどでお金を出したい人だけ出せばいいと思う」(24・男性)
「増上寺や献花の場を見ると、支持者の熱狂的な姿が異様で、この先の日本人の在り方に、不安と恐怖に感じた。押しつけないと言っても、実際に半旗の掲揚を教育委員会が現場に指示。時代の逆戻りかと。安倍さんの人柄は嫌いでないが、議員という言葉の使い手として頭を抱えることもしばしば。中曽根さんの時のように、党のお別れ会でいい。イチ国会議員で国のために働くのは当たり前、天皇ではない。国民は静かに哀悼を示せばいい」(49・女性)
「総理の在任期間が最長とはいえ、長いだけ。生前いろんな疑惑もあったし、法律の整備も強行したりやりたい放題だったいわくつきの政治家に対して税金使っての国葬はありえない。安倍さんが2012年に総理になってから、日本が戦前みたいに戻りそうで怖かった。国葬もそう。山本五十六? と思ってゾッとしました。2022年の今は戦中の日本ですか……」(36・女性)
「国葬を取り仕切るのが電通という噂があるのが一つ。安倍氏と統一教会の関係が全く無いわけでないのが一つ。コロナ流行の時期に大勢の人間が葬儀に集まるのも、いかがなものかと思う。コロナで亡くなった人は家族にも会うことができず、寂しい亡くなり方をした人が大勢いるのに、税金で一人の人間のために多額の金銭を使用するのも賛成できない。暑い中、行列を作って献花台に花を持って行った人々の気持ちだけで良いのではないかと思う」(54・女性)
「30年前と比べて国民が負担する税金(消費税・年金・健康保険)は大きく増えています。ですが、税金は働く現役世代に還元されておらず、政府は軍事費や国外へのばら撒き、そして高齢者だけに税金を使っています。上がらない給与と税負担のせいで、困窮している家庭の子どもたちが国内にたくさんいるのに…。これ以上税金の無駄遣いをしないでください。一個人の葬儀に国民の血税を使わないでください」(34・女性)
「秋葉原の選挙演説で『あんな人たちに負けるわけにはいかない』と言ったように、国民を味方と敵に分けて、前者には優しく、後者には厳しくしています。そして、自分の考えと異なるヒトには残酷な仕打ちをしているように思います。このような気質が森友学園や加計学園問題、桜を見る会などの問題を引き起こしたものと思います。安倍元総理の『味方』の方は国葬が良いと判断するでしょうが、『敵』の方は国葬が良いと判断するでしょうか。味方か敵かで判断されていた『元総理』の葬儀を、国全体で行うことには疑問を感じます」(66・男性)
「国会で嘘をつき続け、自らの支持者に対して首相の地位を利用した利益供与をした人が、国葬に値するとは思えない。閣僚からは、外国からの弔意が多く寄せられているから、評価が高いという意見もあるようだが、外交における単なる儀礼ではないか。当たり前のことを諸外国はしているだけ」(59・男性)
「国葬には海外要人が多数出席する事が予想され、その接待、警護などに膨大な費用が掛かることは目に見えている。更に現在、自民党と統一教会の関係についていろいろな問題が指摘されている中、それを明白にせず国民の税金を使う事には反対です。葬儀は自民党が、自民党の予算の中で執り行うのが妥当だと思います」(60・女性)
「個人的に嫌いだから。どうしても国葬にするなら、各国のお偉いさんが来るだろうから、プーチン大統領とゼレンスキー大統領を招待して停戦交渉の場を葬儀後に設けるべし」(50・男性)
「人を弔う心は、誰かに強制するものではない。そして葬儀は外国からの弔問客のために行うものでもない。弔いは個々の気持ちがあればそれで十分ではないかと思う。総理はコロナ対策より党内での自分の保身を優先するのか。国費を使うのであれば、論議を尽くして国民の賛意を得るべきである」(60・女性)
「国をあげてはやりすぎではないでしょうか。自民党葬にすれば、嫌いな人はいないでしょうから、良いんじゃないでしょうか。あと、会場は武道館よりホテルオークラでどうでしょう」(34・男性)
「『国葬に閻魔が呆れる嘘の数』という川柳が今、話題になっている。記憶力のある人々は安倍晋三にこの思いを持ち続けている。国費を、そのようなふざけた使い方をすべきではない。コロナや貧困で、困窮している国民に回すべきだ」(71・女性)
「ああいった形で亡くなった事は気の毒な事だが政治家としてやって来た事が『安倍さん、可哀想』等と流されている事に正直驚く。不意に家族を奪われた悲しみややり場のなさと言えば近畿財務局の赤木さんの遺族はどうなるのか? 国会で100回以上も嘘をついた人間を国葬扱いなんて冗談でないと思う。見送りたいと思う方達は見送れば良いが国葬には値しないと思う。国会でまで堂々と嘘をついて良い、と言う人間を国が礼賛するのを見て子供はどう思うのか。『安倍さんは良いヒトだった』なんて言う個人的な付き合いから来る感情をそう思っていない国民に押し付けないで欲しい」(51・女性)
・どちらともいえない3.6% 「国会での議決も経た方が良い」
「殺害事件直後は賛成でしたが、最近次々と自民党と統一教会の関係が明らかになり、嫌悪感が増してきました。現時点では、『どちらでもない』意見です」(69・男性)
「基本的には賛成だが、実施の決定には閣議決定だけではなく国会での議決も経た方が良いと思う」(40・男性)
「反対はしない。吉田茂の時は、その前にあった西ドイツのアデナウアーの国葬に、総理の佐藤栄作が元総理の岸信介を派遣して冷戦下でのアメリカとフランスの雰囲気を把握した。同じように、海外の人を招く葬祭はありだろうから」(41・男性)
「あるテレビ番組を見たのですが、『国葬』形式でなくても税金が使われるとわかったので。それほど議論をするほどの論点ではないと考えを改めた」(48・男性)
「熊本地震の時も来訪し、支援を頂きました。ただ残念なのが森友、加計、桜、アベノマスク、統一協会など、真相が分からないまま、負の遺産も残しました。期待と裏腹に、残念な部分もあります。国葬も税金です。もっと違う形で出来ないかと、正直思います」(50・男性)
「安倍元総理を個人的にはとても支持、評価しているので、国葬でもよいと思っているが、一方で衝撃的な最期を受け止められず、悔しい、悲しいと感傷的になっている勢いのまま、国葬! という方向になだれ込んでいった感も否めないと想います」(62・女性)
「かかるお金が国費では反対派が黙っていないから。寄付を集めれば良いと思う」(48・男性)
「あまりにも突然なことであったし、もう少し考える時間を持って判断してもいいのではと思っています。もちろん、すべての人が納得いくものにはならないのはわかっているけれど、国をあげてやるかどうかは、自国の理解と他国からの視点を俯瞰していく知力が必要かと感じています。世の中が、パンデミックとウクライナ戦時下で判断力の低下の懸念があり、非常にざわざわした気持ちを消しきれずにいます」(63・女性)
「全く自民党支持ではないんですが、安倍さんは嫌いではない。国葬は市民の税金が使われる。父親の年金も毎年減らされてて悩んでいるのは事実です。でも一般市民が何を言っても自民党は右から左ですよね。だから諦めています」(55・女性)
「亡くなった人を見送る儀式は、故人との関係によって異なると思う。依って、故人から多くのものを受けたと思う人は賛成だろうし、あまり関係がないと思う人は反対だろうから」(86・男性)
アンケートの発表は以上です。ご回答してくださった皆さん、ありがとうございました。
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【安倍元首相の国葬アンケート結果発表】「反対」が79.7%で「賛成」の4倍以上 「在任期間が長いだけ」「天皇ではない」の声も…
「文春オンライン」2022/08/13
https://bunshun.jp/articles/-/56632
■水道事業、種子法、北方領土……。安倍政権が進めた政策から見えてきたもの
ハーバー・ビジネス・オンライン 2019.01.28 適菜収
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・安倍政権がどうみても「売国」である理由
すでにメッキの皮は剥がれているが、安倍晋三は保守ではなくて、構造改革論者のグローバリストである。
2006年9月26日の第一次政権の総理就任演説では、小泉構造改革路線を「しっかり引き継ぎ」、「むしろ加速させる」と発言。
2013年7月には、シンガポールで「岩盤のように固まった規制を打ち破る」ために、自分は「ドリルの刃」になると述べ、「規制改革のショーケースとなる特区も、総理大臣である私自身が進み具合を監督する『国家戦略特区』として、強い政治力を用いて、進めます」と発言。
同年9月にはニューヨークのウォール街で、自分が規制緩和により、障壁を取り除くから、日本を買うなら今だと訴えた。
2014年1月の世界経済フォーラム年次会議(ダボス会議)では、徹底的に日本の権益を破壊すると宣言。
電力市場の完全自由化、医療の産業化、コメの減反の廃止、法人税率の引き下げ、雇用市場の改革、外国人労働者の受け入れ、会社法の改正などを並べ立て、「そのとき社会はあたかもリセット・ボタンを押したようになって、日本の景色は一変するでしょう」と言い放った。
この“ファミコン脳”の言葉通り、戦後わが国が積み上げてきたものは、わずか6年で完全にリセットされた。
左翼も麻原彰晃も、安倍の足下にも及ばなかった。
仕舞いには安倍は「我が国がTPPを承認すれば、保護主義の蔓延を食い止める力になる」などと言いだした。
外国勢力が放送を乗っ取るようにお膳立てしたのも安倍だった。
放送法4条の撤廃を目指した放送制度改革で、安倍は、外資が放送局の株式を20%以上保有することを制限する規定の撤廃を目論んでいた。
水道事業を売り飛ばそうとしたり、種子法廃止を押し通したり。
ロシアにカネを貢いだ上、北方領土の主権を棚上げ、日韓基本条約を蒸し返して韓国に10億円を横流しした。
「移民政策はとらない」と大嘘をつきながら、国の形を完全に変えてしまう移民政策を推し進めた。
結果、日本はすでに世界第4位の移民大国になっている。
安倍がやっていることは、一昔前の「保守論壇」が厳しく非難してきたものばかりだ。
その妥当性はともかく、村山談話・河野談話を踏襲し、 憲法九条第一、二項を残しながら、第三項を新たに設け、自衛隊の存在を明記するという意味不明の加憲論により、改憲派が積み上げてきた議論を全部ぶち壊した。
さらには、震災の被災者の方々に寄り添う天皇陛下のものまねをして、茶化して見せた。
安倍は、ポツダム宣言を受諾した経緯も、立憲主義も、総理大臣の権限もまったく理解しないまま、「新しい国」をつくるという。
そもそも、「もはや国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました」などという「保守」がいるはずがない。
安倍信者の中では国益や国辱にこだわる時代も過ぎ去ったのだろうか?
国会でも外交の場でも安倍は平気な顔で嘘をつく。
漢字も読めなければ、政治の基本もわからない。
自衛隊の日報隠蔽、裁量労働制のデータ捏造、森友事件における公文書改竄……。
政策立案などに使われる「基幹統計」もデタラメだった。
「消費や人口、学校など、いずれも私たちの生活と密接に関わる56の『基幹統計』のうち点検の結果、約4割にあたる22で間違いがあった」(「ロイター」1月25日)。
財務大臣の麻生太郎は「日本という国の信頼が、そういった小さなところから崩れていくのは避けなければいかん」と言っていたが、なにが「小さなところ」なのか?
要するに、国家の根幹がデタラメなのである。
状況を嘆いているだけでは仕方ないので、なぜこのような政権が続いているのかについて述べておく。
一つは現実を見たくない人が多いからだろう。
「日本を破壊したい」という悪意をもって安倍政権を支持している人間はごく一部であり、ほとんどは無知で愚鈍だから支持している。
左翼が誤解しているように安倍を支持しているのは右翼でも「保守」でもない。
そもそも右翼が4割もいるわけがない。
安倍を支持しているのは思考停止した大衆である。
大事なことは、安倍にすら悪意がないことだ。
安倍には記憶力もモラルもない。
善悪の区別がつかない人間に悪意は発生しない。
歴史を知らないから戦前に回帰しようもない。
恥を知らない。
言っていることは支離滅裂だが、整合性がないことは気にならない。
中心は空っぽ。
そこが安倍の最大の強さだろう。
たこ八郎のノーガード戦法みたいなものだ。
そして、中身がない人間は担がれやすい。
情報機関は常に攻撃の対象を用意し、社会に鬱積する不満やルサンチマンをコントロールする。
大衆と権力機構の直結。
20世紀以降の「悪」は純粋な大衆運動として発生する。
空気を醸成するためのテンプレートはあらかじめ用意される。
「安倍さん以外に誰がいるのか」「野党よりはマシ」「批判するなら対案を示せ」「上から目線だ」。
ネトウヨがこれに飛びつき拡散させる。
ちなみにネトウヨは「右翼」ではない。
単に日々の生活の不満を解消するために、あらかじめ用意された「敵」を叩くことで充足している情報弱者にすぎない。
安倍政権が引き起こした一連の惨状を、日本特有の政治の脆弱性の問題と捉えるか、近代大衆社会が必然的に行き着く崩壊への過程と捉えるかは重要だが、私が見る限りその両方だと思う。
前者は戦前戦中戦後を貫く日本人の「改革幻想」や選挙制度についての議論で説明できるし、後者は国際社会が近代の建前を放棄し、露骨な生存競争に突入したことで理解できる。
いずれにせよ、こうした中で、わが国は食いものにされている。
対米、対ロシア、対韓国、対中国、対北朝鮮……。
すべて外交で失敗しているのに、安倍信者の脳内では「外交の安倍」ということになっているらしい。
たしかに海外では安倍の評価は高い。
当たり前だ。安倍の存在によって利益を得ている国がケチをつけるわけがない。
プーチンにとってもトランプにとっても、北朝鮮にとっても中国にとっても、安倍政権が続いていたほうが都合がいいのだ。
結局、負けたのはわれわれ日本人である。
北海道のある大学教授が「このままでは国は滅びる」と言っていたが、状況認識が甘い。
日本はすでに滅びているのだ。
これから日本人は、不道徳な政権を放置してきたツケを払うことになるだろう。
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水道事業、種子法、北方領土……。安倍政権が進めた政策から見えてきたもの
ハーバー・ビジネス・オンライン 2019.01.28 適菜収
https://hbol.jp/pc/184439/
■それでも安倍晋三氏を支持するのか?北方領土2島返還への転換を認めた元宰相の「売国」ぶり
gooニュース 2022/01/15
https://news.goo.ne.jp/article/mag2/world/mag2-524731.html
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・安倍晋三元首相「北方領土2島返還」発言、支持者はどう受け止めたか?
おとそ気分も抜けた頃だが、それでも忘れがたいのが、年末年始に各種メディアでやたらと安倍晋三元首相の姿が目についたことだ。
保守系の雑誌が「やっぱり安倍さんだ!」などと特集を組むのは今に始まったことではないが、複数の一般紙で大型インタビューが組まれたのには、さすがに少々驚いた。
ねじれ国会やコロナ禍という、自分の手に負えない政治状況が生まれるたびに、任期途中で病気を理由に政権を投げ出しては、辞任から間を置かずに「薬が効いた」などとして復権をうかがってきた安倍氏。
しかし、2度目の辞任から1年以上が過ぎ、現在の岸田文雄首相はもはや「次の次」だ。
岸田氏は昨年10月の衆院選で、議席を減らしたとは言え、世間的には勝利と呼ばれる結果を残している。
ここまで来てまだ「安倍」なのか。
無理矢理「影の権力者」を演出する必要がどこにあるのか。
年明け早々うんざりしたが、結果としてあの報道の山は、国民がいい加減脱却し、克服すべき「安倍政治」のありようを、年頭に改めて思い起こさせることになった。
山ほど登場した安倍氏の言葉のなかで個人的に強く引っかかったのが、北海道新聞のインタビューで北方領土問題について、四島ではなく歯舞群島と色丹島の2島返還を軸とした交渉に転換したことを、事実上認める発言をしていたことだ。
安倍氏は2018年11月、シンガポールで行われた日ロ首脳会談で、両国の平和条約を締結した後に歯舞群島と色丹島を日本に引き渡すとした1956年の日ソ共同宣言を「交渉の基礎」に位置付けることで合意した。
この時点で「2島返還への転換」は、ある種「公然の秘密」状態になっていたと言えるので、安倍氏の発言は、その意味では別に驚くほどのものではないのかもしれない。
だが、機微に触れる外交課題について、安倍氏がそれまでの「四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する」という国家方針を自ら転換したことを、軽々しく自慢げに語られると、さすがに「ちょっと待って」と言わずにはいられない。
安倍政治の最大の特徴は「権力行使の仕方が雑に過ぎる」ことだと、筆者は考えている。
集団的自衛権の憲法解釈を、国会も通さず閣議決定のみで変更したこと(2014年)。
東京高検検事長の定年延長をめぐる国家公務員法の解釈を変更したこと(2020年)など、枚挙にいとまがない。
憲法や法律や過去の政治的蓄積などに縛られることなく、自分の都合の良いように権力を行使しようとする。
そういうトップが長く政治権力の頂点に君臨した結果、日本の政治から規範意識が失われてしまった。
安倍氏のこうした姿勢は内政において多くみられたが、今回の領土問題をめぐるインタビューは、安倍氏が外交でも同じ態度で臨んでいたことを、改めて知らしめる結果となった。
報道によれば安倍氏は「100点を狙って0点なら何の意味もない」「時を失うデメリットの方が大きい」と語ったという。
「時を失う」という言葉に「自分の政権のうちに」外交で目に見える「レガシー」を遺したい、という安倍氏の焦りがうかがえた。
しかし外交は、一つの政権で軽々しく成果を得るようなものではない。
外交には相手がある。
だから、大きな外交課題は複数の政権にわたり、焦らずじっくりと取り組む。
政権交代があっても急激な路線転換はせず、継続性を重視することが求められてきた。
「保守」と呼ばれる政治家こそ、こうした積み重ね姿勢を堅持すべきだろう。
対露外交において、それは「北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する」ことのはずだ。
実際、過去にはこうした外交方針のもとで、1993年の東京宣言(細川政権)や98年の川奈提案(橋本政権)のように、日露間に四島の帰属の問題が存在することや、四島の北側で国境を画定させることを外交交渉のテーブルに載せた例もあった。
外交環境の変化で従来の政府方針を貫けなくことなることもあるだろう。
しかし、だからと言って首相の一存でこれまでの積み重ねを軽々しく壊して良いはずがない。
それこそ安倍氏の好きな衆院解散で国民の信を問うなりして、国民的合意を形成する最低限の努力をすべきではないだろうか。
しかし、安倍氏はそれをしない。
一度手にした権力は、何者にも縛られず自分の判断で行使できる、とタカをくくっている。
だから、これまで国民に説明されてきた政府方針を勝手に変更することにも、何の躊躇も感じないのだろう。
百歩譲って「2島返還への変更」に大義があったとしても、従来の政府方針を支持する国民からは、大きな反発も出るはずだ。
誠実に説得を重ね、理解を得るよう努めることは、政治指導者として不可欠だ。
そして、それだけの決断をしたのなら、責任を持って自らの手で結果を出すべきではなかったのか。
任期中に2島返還を実現し、結果として残る2島を事実上放棄することで生じる不利益に対する補償などの手立てを講じ、国民を納得させるところまでやり切る。
そこまでして初めて、安倍氏はリーダーとして責任を果たしたと言えるのではないか。
ところが安倍氏は、任期途中で自ら政権を投げ出してしまった。
コロナ禍のさなかの辞任にも驚いたが、この領土問題も、積み上げてきた歴史をひっくり返しておきながら、何一つ「成果」も出さず、後始末もせずに去ったと言っていいだろう。
そして、責任を負わなくていい立場となった今、外野から岸田政権に対し、安倍政権の方針の踏襲を求める。
いったい何様のつもりなのか。
このような権力行使のありようを日本の政治から払拭し、当たり前の政治に戻すことが、岸田首相と2022年の政界全体に与えられた使命だと思う。
それにしても理解に苦しむのは、こうした安倍氏の姿勢を、支持者は許すのだろうかということだ。
安倍氏の「雑な権力行使」は前述したようにさんざん見てきたが、仮にもこれは領土問題だ。
返還を待つ国民もいる。
「国家の三要素」に深くかかわるこうした問題で、たやすく日本固有の領土を手放すかのような外交を自分勝手にやられても、安倍氏の支持者は平気なのだろうか。
もし安倍政権以外の政権が同じ政治判断をしたとしたら、彼らは間違いなくその政権を「売国奴」と罵るに違いない。
安倍氏のやることならば、これほどの「売国」的な方針であっても、苦もなく賞賛できるのか。全く不思議でならない。
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それでも安倍晋三氏を支持するのか?北方領土2島返還への転換を認めた元宰相の「売国」ぶり
gooニュース 2022/01/15
https://news.goo.ne.jp/article/mag2/world/mag2-524731.html