■防衛予算案5.3兆円、過去最大 高い米製品の購入続く
朝日新聞 2019/12/20
https://www.asahi.com/articles/ASMDN4J9RMDNUTFK00B.html
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2020年度当初予算案の防衛費は、前年度当初から1・1%増の5兆3133億円となり、6年連続で過去最高を更新した。
今後5年間(19~23年度)の防衛費の伸び率を年1・1%とした昨年末の「中期防衛力整備計画」に沿った内容だが、トランプ米大統領の「バイ・アメリカン(米国製品を買おう)」に応じ、高額装備品の購入も続く。
防衛費の増加は第2次安倍政権発足後、8年連続となる。
米国からの導入手続きが進む陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」には、発射装置の取得に115億円、調査費に14億円を充てた。
ただ、防衛省のずさんな調査報告などを受け、政府内で秋田市内への配備について見直し論が浮上。
もう一方の配備適地とされる山口県でも地元了解が得られておらず「特定の配備地を前提としていない」(同省)とした上での計上となった。
また、米国製のステルス戦闘機F35A3機の購入費として281億円。
同じく、F35B6機の購入に793億円を計上した。
安倍政権は18年12月、F35を将来的に計147機体制とすることを閣議了解。
これに先立つ日米首脳会談ではトランプ氏が安倍晋三首相に「我々の戦闘機を大量購入しつつあり、とても感謝している」と述べていた。
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■防衛予算案5.3兆円、過去最大 高い米製品の購入続く
朝日新聞 2019/12/20
https://www.asahi.com/articles/ASMDN4J9RMDNUTFK00B.html
■米兵器を大量購入 対米追従で膨らむ負担
東京新聞 2020/9/5
https://www.tokyo-np.co.jp/article/53329
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対日貿易赤字への不満を示すトランプ氏に自動車の輸入関税引き上げを見送ってもらうため、長距離巡航ミサイルやF35戦闘機といった攻撃的な米国製兵器の大量購入も相次いで決定。
周辺国を射程に収めるミサイルや、レーダーに映りにくいステルス性能で他国の領空侵入も想定するF35は敵基地攻撃能力を先取りするような兵器だ。
自衛隊幹部は「現場で必要性を議論する前に、トップダウンで買ってから使い道を考える本末転倒のやり方が多かった」と明かす。
制度面では2014年に憲法解釈を変更し、歴代内閣が禁じてきた集団的自衛権の行使を容認。
15年の日米防衛協力指針(ガイドライン)再改定では、自衛隊が海外で米艦防護や支援をできると申し合わせ、国民の強い反対を押し切って安全保障関連法を成立させて法律上でも可能にした。
購入額は最大7000億円に
首相は辞任前に敵基地攻撃に関する方向性を示すことに固執するが、攻撃的な米国製兵器の購入で能力の確保に向けて見切り発車していたのが実態だ。
米軍の偵察衛星などとの連携強化が欠かせない敵基地攻撃能力の保有を決めれば、日米の一体化はさらに加速する。
警戒感を強める周辺国に軍拡の口実を与え、かえって緊張を高めて地域を不安定化させかねない。
米国製兵器の購入などでトランプ氏との「蜜月」を誇った首相だが、自動車問題も解決できたとは言い難い。
トランプ氏が次期駐日大使に指名したケネス・ワインスタイン氏は8月5日の米上院外交委員会で、日本との貿易交渉に関して「特に自動車分野でさらに前進が必要だ」と強調した。
首相主導の爆買いで、米政府を通じた「対外有償軍事援助(FMS)」での兵器購入予算は増加。
第2次安倍政権の前には最大で1600億円だったが、15年度以後は3500億~7000億円の間で高止まりしている。
負担増の避けられない対米追従を続けるのか、次期政権は重荷を背負っている。
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■米兵器を大量購入 対米追従で膨らむ負担
東京新聞 2020/9/5
https://www.tokyo-np.co.jp/article/53329